3位からの頂目指して
明日からファーストステージの幕が切って落とされる「2023JERAクライマックス・セ」の前日記者会見が実施され、セ・リーグ上位3チームの代表が意気込みを語った。
3位の横浜DeNAベイスターズからは三浦大輔監督と、今永昇太選手会長が参加。まず三浦監督は「我々横浜DeNAベイスターズは、リーグ優勝を逃し悔しい思いをしました。明日からはじまるJERAクライマックス・セを勝ち抜き、日本一を目指していやっていくので、よろしくお願いします」と挨拶。続いて「昨日の横浜スタジアムでの練習とは違って、この広島に来るとまた違った緊張感が溢れてきました。明日からのJERAクライマックス・セを盛り上げて行けるよう頑張ります」と今永が決意表明した。
また三浦監督は、明日の先発について「初戦は東克樹でいきます」と明かし「一年間安定した投球をしてくれました」と理由も説明。「なんとしてもまず初戦で勢いをつけて戦っていきたいと思っています。東がしっかりと流れを作ってくれることを期待しております」とハーラートップの16勝を挙げた左腕をキーマンに指名した。
対戦相手には「両チームとも本当にバランスの取れたチームだと思いますし、スピード、足、走塁というところでも今シーズンかなり苦しめられた印象です」と三浦監督がコメント。今永は「広島東洋カープはどの打順からでも点を取れる野球をしてくるので、そこを気をつけたいというのと、阪神タイガースは近本(光司)選手を始め、足の速い選手がたくさんいるので、そういった選手を塁に出さないというのがポイントになるのではないかなと思います」と、より具体的な対処法を口にした。
CSでのポイントに三浦監督は「やはり先発投手だと思います。今永もそうですけれども明日の東もゲームを作って、1イニングでも長くというところだと思います」とスターターの踏ん張りを重要視した。
対する広島・新井貴浩監督は「なんとか先制して主導権を握ってゲームを進めたい」と攻撃にポイントを置きつつ「今永くんも素晴らしい投手で、なんせWBCの決勝戦で先発した世界一の先発投手ですので、なかなか点を取るのは厳しいと思う」とテーブルから身を乗り出して、今永を挑発気味にコメント。しかし今永は「いまかけられたお褒めの言葉は今日で全て忘れて、緊張感を持って今日の練習から取り組んでいきたいと思います」と“らしく"いなし「本当に広島東洋カープ全員が束になってかかってくる印象を持っているので、9番の打順からでも全力投球ができるように、そういった心構えで臨んでいきます」と気を引き締めた。
最後に「本当に悔しいレギュラーシーズンになったので、クライマックスで勝ち上がって横浜スタジアムに戻れるように戦っていきたいと思います」と改めてCSの勝ち抜きを宣言した指揮官。“横浜頂戦"を掲げた2023年、総決算の戦いはすぐそこに迫っている。
取材・文=萩原孝弘