【東京六大学野球・秋季リーグ戦】
○ 早大　4 － 2　法大 ●
（14日・神宮）

　早大は終盤に粘りを見せ、法大に逆転勝ち。先発したエース・加藤孝太郎投手（4年・下妻一）が7回2失点の好投で今季2勝目をマークした。

　両軍無得点のまま迎えた6回。加藤は一死二塁から3番・今泉にタイムリー二塁打を浴びて先取点を献上すると、7回には2点目を失って追加点を許した。しかしその裏、ここまでわずか1安打と沈黙していた打線にようやく火がついた。先頭の尾瀬雄大外野手（2年・帝京）から3連打で1点を返すと、6番・中村将希外野手（4年・鳥栖）の右前適時打で同点。なおも一死満塁から8番・島川叶夢内野手（4年・済々黌）の押し出し死球で勝ち越しに成功。さらに続く代打・森田朝陽主将（4年・高岡商）の内野ゴロの間に1点を加え、この回一挙4点を奪った。

　加藤の粘りある力投が逆転劇を呼び込むも、指揮官はエースに厳しい注文をつけた。この日の相手先発は、ここまで3勝を挙げている法大・吉鶴。左腕は試合前まで防御率0.00を誇っていただけに、「投手戦になると思っていた」と背番号11。その言葉通り、試合は5回まで両軍無得点と中盤まで痺れる投手戦となっていたが、小宮山悟監督は「最初から投手戦になると思っていましたと言うことがダメ。なかなか点が取れない打線の中でも『俺が放っているときだけは絶対に取ってくれる』と思ってマウンドに上がらないと」と喝。「しっかりとピッチングをしてくれるとは思っている」とエースの実力を認めた上で、「ただ打線の援護を期待しながら投げないといけないのに、取られないようにと言っていたらそれは点を取れない。明日はきっと打線が爆発します」。さらなる成長を期待しているからこそ、愛のあるゲキを飛ばした。

　今春は法大相手に勝ち点を落としており、「今季は何としても2連勝で勝ち点をという思いがあった」と加藤。「先制点をあげてしまう形になってしまったことは反省点」と唇を噛んだが、法大打線を最少失点に封じてチームに白星をもたらした。