広島の切り札が初戦で早速の大仕事

　広島は14日、本拠地で迎えた『2023 JERA　クライマックスシリーズ　セ』のファーストステージDeNA戦に3－2でサヨナラ勝利を飾った。

　両投手陣の好投が続き1－2で迎えた8回、四球で出塁した先頭打者の代走に羽月隆太郎が送り込まれると、続く矢野雅哉が犠打を決めて一死二塁のチャンスを創出する。

　最終盤の同点機に球場のボルテージも高まる中、続く菊池涼介の打席で羽月が初球からスタート。見事に三盗を決めてチャンスをさらに拡大させると、菊池は3球目でセーフティスクイズを決めてあれよあれよという間に同点。機動力と小技で最多勝左腕を攻略し、試合を振り出しに戻した。


　両チームの死闘は延長戦にまでもつれた末、11回裏に秋山翔吾の決勝打で広島が勝利。チーム一丸でファイナル進出に王手をかけた新井カープだったが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した館山昌平氏は「この場面は本当に厳しかったけど、良く追いつきました」と8回の羽月の走塁を称えた。

　また、三盗直前のシーンも振り返りながら「この時（二塁進塁後）に東克樹選手と山本祐大選手がタイムをかけてマウンドで話し合うんですけど、ここでバッターの事に集中しすぎたのかな」と語り、三盗成功の要因を解説。

　打者との勝負に集中するあまり走者への警戒が薄れていたとバッテリーの反省点を語り、「ランナーの方を見ることも無くずっと話し合っていたので、（三盗成功後）“まさか”という所はあったんじゃないかな」と羽月の抜け目なさ、判断力を重ねて評価した。

　圧巻のスピードで観客だけでなくバッテリーの度肝を抜いた宮崎出身のスピードスター。王者・阪神への挑戦権をチームにもたらすべく、ファーストステージの残り試合でも自慢の快足でDeNAをかく乱してもらいたい。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』