【東京六大学野球・秋季リーグ戦】
○ 慶大　5 － 2　明大 ●
（14日・神宮）

　4季ぶりのリーグ優勝を狙う慶大は明大に先勝。天王山第1ラウンドを制し、単独首位に立った。4番・栗林泰三外野手（4年・桐蔭学園）が先制打を放つなど、2安打2打点の活躍で勝利に貢献した。

　頼れる4番の一振りで主導権を握った。初回一死二・三塁で迎えた第1打席。「1、2、3番が最高の形で僕に回してくれたので、ここは思い切って甘いところが来たらいこうと、強い気持ちで行きました」。相手エース・村田の初球、内角137キロの変化球を捉え、左中間を大きく破るタイムリー二塁打。「どんなにいいピッチャーでも甘いボールは必ず来る。それを仕留める練習をしてきて、打てる自信もあった。結果に結びついてよかった」と二塁へ到達すると一塁ベンチへ右拳を上げて喜びを表し、ナインの笑顔に応えた。

　陸の王者が誇る4番は現在、チームメートの宮崎恭輔捕手（4年・國學院久我山）、早大・吉納に並ぶトップタイの3本塁打をマークしており、打率4割4分4厘、15打点はリーグ単独トップで3冠をキープ。昨秋、史上16人目の3冠王に輝いた巨人・萩尾匡也外野手を彷彿とさせる活躍ぶりに、堀井哲也監督も「4番がしっかりした結果が出せれば、チームの勝利にもつながる。引き続き1打席1打席集中して、勝利に貢献してくれれば」と信頼は厚い。「僕が（3冠王を）獲るくらいの活躍をすればチームは勝てると思う。そこの部分も意識しつつ、打席ではピッチャーをどう打ち崩すかだけを考えてやっていきたい」と背番号8。21年秋以来の天皇杯奪還へ、今の栗林ならやってくれるに違いない。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）