ニュース 2023.10.16. 05:00

早大、小宮山采配ズバリ!リーグ戦初出場の代打・田村康介「まさかこんな場面を自分に」初打席で決勝V打

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早大・田村康介内野手(左)、伊藤樹投手[写真=灰原万由]
【東京六大学野球・秋季リーグ戦】
○ 早大 10 - 1 法大 ●
(15日・神宮)

 早大は13安打10得点の猛攻で法大に連勝。代打でリーグ戦初出場を果たした田村康介内野手(2年・早大学院)が初打席で決勝の2点適時二塁打を放ち、試合を決めた。

 試合を決めたのは、この日初めてベンチ入りメンバーに名を連ねた男だった。両軍無得点で迎えた4回二死満塁、梅村の代打で田村の名前がコールされた。この日一番の絶好機で迎えたリーグ戦初打席。「まさかこんな場面を自分に託してくれるのかと。絶対に初球何が来ても強く振ろうという気持ちがあった」。今秋のドラフト候補左腕・尾﨑の初球を狙い澄ましたような一振りで捉え、打球はファウルゾーンへ切れることなく左翼線で弾んだ。リーグ戦初安打は決勝の2点タイムリー二塁打。自らのバットで2点の先取点を叩き出し、「ちょっとだけ先っぽだったと思うんですけど、ヒットコースには飛んだと思った。自分が急に入って勝利に貢献できた達成感がそのままガッツポーズに表れた」と何度も両手を突き上げた。

 小宮山悟監督の采配がズバリ的中。指揮官は「金森栄治助監督に『(田村で)いこう』と背中を押された」と明かし、「一振りにかける価値があった、よかった。普通は足がすくむと思いますよ。ところが初球、とにかく振ってやろうという気持ちで打席に立って、それを実践できるのはたくましい」と高く評価。最終週の早慶戦での活躍にも期待を寄せた。

 これまでリーグ戦でユニホームを着ることなく、スタンドで応援していた男が自らのバットでチームに白星をもたらした。前日14日、自宅でこの日のメンバー入りを知ったといい「その時から信じられなかった」。自らを「ポッと出ですけど」と話すが、「優勝争いに自分の力を加えられるチャンス。絶対にこのチャンスを自分の力でもぎ取りたい」と背番号39。6季ぶりのリーグ優勝を狙う早大に、頼もしいピースが加わった。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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