【東京六大学野球・秋季リーグ戦】
○ 慶大　5 － 0　明大 ●
（16日・神宮）

　慶大はエース・外丸東眞投手（2年・前橋育英）が中1日で先発し、5安打完封でリーグ通算10勝目をマーク。開幕から4カード連続で勝ち点を獲得し、単独首位に立った。

　100球目を投じ、最後の打者を左飛に打ち取ると、エースは力強く両手を突き上げてガッツポーズを繰り返した。4季ぶりのリーグVへ、負けられない一戦を託された右腕は「今日勝つしかないと思って、初回から全力で行きました」。初回は一死から連打を浴びて一・三塁のピンチを迎えたが、最後は4番・上田希を遊ゴロ併殺に打ち取って無失点スタート。その後も落ち着いたマウンド捌きでアウトを積み重ね、スコアボードに「0」を9つ並べた。

　惜しくも100球未満完封のマダックス達成とはならなかったが、疲れを感じさせないクレバーな投球でリーグ通算10勝目を完封で飾った。防御率も1.24でトップに立ち、「シーズン前の目標として、最優秀防御率を掲げていた。それを取ることがチームの勝利につながっていくと思うので、目標を達成したい」と力強く宣言。圧巻のシャットアウト劇に、堀井哲也監督も「本当に丁寧に投げていた。持ち味でもある打たせて取る、ストライク先行のピッチングで彼の真骨頂が出た。非常に良かったと思います」と賛辞を惜しまなかった。

　最終週の早慶戦で勝ち点を獲得すれば4季ぶりのリーグ優勝が決まる。昨秋の早大2回戦では、敗れれば優勝の可能性が消滅する大一番で先発マウンドを託されるも、1回持たず4失点KOで役目を果たせなかった。「自分のリベンジも果たしつつ、4年生とできる試合を全力でプレーしたい」と背番号18。4年生と共に挑むリーグ戦は、泣いても笑っても残り1カード。勝利だけを追い求め、1年前に流した悔し涙を嬉し涙に変えてみせる。

取材・文＝灰原万由（はいばら・まゆ）