かつての名捕手も熱視線を送るインサイドワーク
阪神は19日、本拠地・甲子園で行われた「2023 JERA クライマックスシリーズ セ」の広島戦に2-1で勝利。優勝アドバンテージを含めた対戦成績を3勝0敗とし、日本シリーズ進出に王手をかけた。
この日も両先発の好投により緊迫した展開となった中、最後は同点の9回裏に木浪聖也がサヨナラ適時打を放って劇的勝利をゲット。殊勲打を放ったのは“恐怖の8番”だが、19日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』ではもう一人の立役者として捕手・坂本誠志郎の名前が挙がった。
これで2試合連続で広島打線を1得点に封じたことになったが、達川光男氏はCSという独特な舞台での緊張感も含め、初戦で先発した村上頌樹もこの試合で先発した伊藤将司も「シーズン中はこんなに苦労した試合はなかったのではないかと言うくらい、出来は悪かった」と言う。
それでも、最小失点で封じることができているのは、坂本のリードがあってこそと達川氏。なかでも象徴的なシーンとして1-1で迎えた8回表、二死から島本浩也が連打を浴びて一・二塁となり、コルテン・ブルワーに投手交代した場面に注目した。
相手も4番の堂林翔太に代えて松山竜平を送り込む勝負手を打ってきた中、「1ボール・1ストライクからカーブを空振りするわけですが、松山ほどのバッターであればこのボールは頭の中に残っているので、このボールをケアしてくる」と3球目に投じた縦に割れるボールをポイントに挙げながら、「そこからはそれを投げさせず、外と内の速球を要求して空振り三振と。松山もタイミングは完全にナックルカーブになっているので、彼ほどの素晴らしいバッターでも対処ができなかったですね」と解説した。
最後も「このシリーズは相手の気持ちがよく見えていますね」とし、元捕手の目線から坂本の冴え渡るリードを絶賛。このままストレートでチームを日本シリーズ進出へと導くことができるか、第3戦も坂本のリードに注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』