ニュース 2023.10.24. 11:00

「大学生投手が豊作」佐々木麟太郎の米国留学決断で「大学生投手にシフトする球団が多くなるのでは」。野球ライター・菊地高弘さんが見たドラフト展望

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ドラフト上位候補の青学大の常廣(左)と東洋大の細野
 26日に『2023年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』が開催される。煙山光紀アナウンサーがニッポン放送のドラフト中継でもおなじみの野球ライターの菊地高広さんに、今年のドラフトの注目選手について伺った。今年のドラフト傾向について熱心にアマチュア野球を取材する菊地さんはどのように見ているのだろうかーー。

大学生投手が豊作

(取材日=2023年10月13日)

煙山アナ「去年は9球団が1位指名公表の異例のドラフトでしたが、今年は正反対になりそうですかね」

菊地さん「まさに今日(10月13日)ですけど、広島が青山学院大の常廣投手を1位に公言しまして、ここで1つ流れが変わるかもと感じますけどね」

煙山アナ「野球太郎という雑誌のドラフト直前大特集号で佐々木麟太郎選手のことについて書かれているのですが、佐々木麟太郎選手がアメリカ留学を決断しました」

菊地さん「ドラフトの戦略にかなり影響すると思いますね。かといって佐々木選手と同じような強打者でそのまま行くかと言われると話が変わってくる。佐々木麟太郎選手だから1位で行くというチームがあったと思います。本当に彼のポテンシャル、彼のホームランを1本でも球場で見たことのある人だったら、この馬力はものが違うなと伝わると思うんですけど、それがいなくなった。変わりに左の強打者とはならないと思いますね。(佐々木麟太郎に)変わるくらい大学の投手が豊作。ピッチャーは何人いてもいい、大学生投手にシフトチェンジする球団が多くなるんじゃないかなと思いますね」

煙山アナ「特に大学生ピッチャーの1位候補を数えたら全部で12人以上いるみたいな状況に。ここが軸になってくる感じなんですか?」

菊地さん「そうですね、大学生ピッチャー、青山学院大の常廣投手もそうなんですけど、東洋大の細野晴希投手の2人が軸になってくるのかなというところ。この2人も軸ではあるんですけど、獲ってすぐ来年10勝できるかと言ったら、ちょっと疑問も残るタイプ。素材としては間違いなく素晴らしいんですけど、即戦力となると疑問もある。その2人に3球団、4球団指名が重複するかと言われると、そこも想像しにくいなと。広島が常廣投手でいきますと宣言したのは他球団にこれ以上、常廣票を増やしたくない広島の駆け引きがすごく鮮明に出ていると思いますね」

そのほかの大学生の即戦力投手は?


煙山アナ「即戦力で指名されそうな選手はいますか?」

菊地さん「そういう意味では国学院大の武内夏暉投手。青山学院大の下村海翔投手。右なら下村投手、左なら武内投手。実戦的なピッチャーで、来年即戦力が欲しいという球団が指名に行くんじゃないかなと思います」

煙山アナ「下村投手と武内投手というのは、完成度が高いということですか?」

菊地さん「高いですね。どちらも言い方は悪いんですけど、常廣投手、細野投手は見栄えがするんですよね、いわゆるピッチャーらしい体型で1球見ただけでわかる、ピッチャーとしてカッコいい。下村投手は上背はないし、武内投手もボテっとしていて動きもちょっと硬くて見栄えはしないんですけど、武内投手だったらスピードガンの数字よりも早く見えるとか、下村投手だったらコントロールが良くて実戦的、試合を組み立てるのが上手い。長所を持っているので、本当は素材的には常廣投手を買っているんだけど、背に腹をかえられないから下村投手を獲るという球団もあるんじゃないかなという感じですかね」

煙山アナ「そのほかにも注目しているピッチャーがいたら教えてください」

菊地さん「今年大学生の左ピッチャーが豊作で、細野投手、武内投手といるんですけど、桐蔭横浜大の古謝投手は注目しています。上背とかは違うんですけど、ソフトバンクの和田毅投手のような出所が見にくくて、急にボールがぴゅっと出てくるタイプ。体の幅の中で左手を隠せるピッチャーなので、バッターからしたら急にボールが出てくる感覚。キャッチャーからしても差し込まれるようなボールを投げられるピッチャー。まだまだ完成されていないということも含めて、僕は武内投手よりも古謝投手を高く評価する球団が出てきても全然おかしくないなと。本当は細野投手と迷った末に古謝投手を単独1位で行くチームがいてもおかしくないかなと思いますね」

煙山アナ「W西舘投手、大商大の上田大河投手などたくさんいますけど、他はどうでしょうか?」

菊地さん「そうですね、W西館はどちらも秋にかけて評価を高めているピッチャー。中大の西館勇陽投手の方はリーグ戦で結果を残している。被打率が非常に低いのが特徴。専修大の西館昂汰投手は東都二部の選手なので、一部の選手に比べると注目度は下がってしまう。ただ大学4年生ではあるんですけど、スケールがまだまだあるという楽しみがある。近年のドラフトは完成度の高いピッチャーより、伸びしろのある投手を獲ろうと大学、社会人に限らずすごく強いので、オリックスはそういう選手を獲ってスケールを一段膨らませてとてつもないピッチャーに育ててる例が多い。近年のトレンドから言うと専修大の西館投手をいきなり1位で指名してくる球団があっても不思議ではないなと。完成されていないのでボールはどんどん良くなっている。このまま右肩上がりでいったらとてつもないピッチャーになるんじゃないかなという期待感のあるピッチャーですね」

菊地さんが注目する高校生投手


煙山アナ「高校生投手はいかがでしょうか?」

菊地さん「ダントツで大阪桐蔭の前田悠伍投手ですね。この前のU18のW杯でも前田投手のための大会だったと言っても過言ではない。アメリカ、韓国、台湾、カギになる試合全部前田投手が先発して、勝たせていると言うところで、それで彼の存在の大きさをわかったと思います。プロではオリックスの宮城投手のような若くして2年目くらいから一軍のローテーションで安定して投げてくれそうな、勝てるピッチャーに持っている要素を全部持ってるピッチャーですね」

煙山アナ「高卒とはいえ1年目から出てきても不思議ではないのでしょうか?」

菊地さん「不思議ではないと思います。普通は高卒のピッチャーはスケール型を重視して指名すると思うんですけど、彼に関しては準即戦力くらいの評価をしてもいいのではないかと言うピッチャーですね」

煙山アナ「高校生もう一人上げると、誰かいますか?」

菊地さん「霞ケ浦の木村優人投手、滝川二高に坂井陽翔投手というちょっと体の大きいピッチャーがいまして、この辺りの長身の本格派右腕は株が上がるんじゃないかなと思いますね。昨年広島が斉藤優汰投手をドラフト1位で指名したと思うんですけど、当時は彼なんかもサプライズ的に受け止められていたと思います。右の本格派の卵的な選手を欲しい球団は毎年どうしてもある。木村投手、坂井投手あたりを思い切って1位でいこうという球団があってもおかしくないかな。将来性があって、意外とピッチングも組み立てられる。去年の斉藤くんがまさにそんな感じだったんですけど、今話した2人がそのあたりを持ってるピッチャーですね」

 今回は今年のドラフトの傾向、大学生、高校生の投手について熱く語った菊地さん。25日は、上位候補の注目野手について語る。

(ニッポン放送ショウアップナイター)
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