初のMVPに笑顔
9・10月度「大樹月間MVP賞」のセ・リーグ投手部門で、DeNAの東克樹が選ばれた。
会見に臨んだ東は「やっと取れたなと。今年は何回かチャンスがある月はあったのですけれども取れなかったので、ずっともどかしい気持ちの中でやっていた。9・10月の月間MVPを取ることができて非常に嬉しいです」と素直に喜びを表現。
9月は5試合に先発登板し5勝無敗。10月は黒星が付いてしまったものの、8回を1失点と好投し、この間の防御率は脅威の1.71とチームに多大なる貢献を果たした。安定感抜群の今シーズンはフォーム改造にも着手し「横の時間、並進運動の時間が長くなったことで球持ち、リリース、ともに安定するようになり、相乗効果でスピード自体も上がりました。変化球の変化量も変わって、投球の軸になるものも変わったと思います」と効果を口にした。
印象的なゲームには「9月26日のジャイアンツ戦、1-0の試合ですね。あれが一番印象に残っています。相手のチームの投手もエース級なので、やりがいを感じながらも楽しんでやっていました」と、CS争いの中山﨑伊織との投げ合いを制し、自身16勝目を挙げた試合をチョイス。また「中5日で登板する機会が多くあった中で、しっかりと勝ちにつながる投球ができたことは、自分の中で財産になったと思います。シーズンを通してしっかりとローテーションを守れたことは非常に嬉しいですし、その中で勝ち星を挙げられたこと、相手のエース級と投げ合って勝ち星を挙げられたことはいい経験になりました」と満足げな表情を浮かべた。
もちろん「本当に(山本)祐大に関しては試合を追うごとにいいリードを堂々としてくれるようになりました。この16勝は祐大のおかげだと思っています」とヒーローインタビューでもお馴染みとなった恋女房への感謝も忘れなかった。
最多勝利と最多勝率のタイトルに加え、月間MVPの栄誉も手に入れた東克樹。TJ手術を経てより逞しく蘇った左腕は、来シーズンもベイスターズを支えてくれそうだ。
写真・取材=萩原孝弘