ポストシーズンならではの心理状態に注目
『SMBC日本シリーズ2023』が28日に京セラドーム大阪で開幕。38年ぶりの日本一を目指す阪神はオリックス相手に8-0で快勝。山本由伸に10安打を浴びせるなど、猛虎打線が初戦から躍動した。
中でも光明なのが、クライマックスシリーズでは苦しい戦いを強いられた近本光司と中野拓夢の1・2番コンビの爆発だ。1点を先制した直後の5回、なおも二死一・二塁のチャンスで近本が右中間突破の2点適時三塁打を放つと、続く中野も落ちるボールをうまくレフトへ運ぶ適時打。
この日は2人揃って3安打2打点と躍動してみせ、改めて存在感を見せつけた。
28日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した解説者の笘篠賢治氏は「短期決戦なので“.000”からのスタート。ヒットが出ないと.000で、2戦目も出ないでずっと.000だと意識しだすんですよ。だから数字が出てこれだけヒットが出ると、ものすごく落ち着くと思います」と語り、ポストシーズンならではの心理的要素を解説。
続けて「当然オリックスも山本由伸のあと宮城(大弥)で右・左と良い投手が出てきますから同じように行く保証はないのですが、初戦にヒットが出たことは大きいですね」と打者目線で分析した。
また、「今日はタイガースが勝ちましたけど、仮に負けていたとしてもこの1・2番に勢いの付くバッティングが初戦に出てくれた。ここが(監督が)一番期待しているところなので、勝った上に1・2番が機能した試合を見せてくれたということ。岡田監督は明日からも安心してできるのではないかと思いますね」と指揮官の心中を推測した。
シーズン中、不動の1・2番コンビとして打線を引っ張った“チカナカコンビ”がともに本調子なら、日本一の座もグッと近づいてきそうだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』