ニュース 2023.10.30. 05:00

慶大の1年生・竹内丈が早慶戦で躍動!「一日でも長く4年生と野球がしたい」圧巻の6回0封で先発初白星!

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慶大・竹内丈投手
【東京六大学野球・秋季リーグ戦】
○ 慶大 4 - 0 早大 ●
(29日・神宮)

 慶大は敗れればV逸が決まる大一番で先発を託された注目ルーキー・竹内丈投手(1年・桐蔭学園)が6回無失点と好投し、先発として初の白星を挙げた。

 最大のピンチを凌ぐと、1年生右腕は右拳を小さく握った。2点リードの6回、二死から四球と安打を許して一・二塁とこの日初めて得点圏に走者を背負った。えんじ色に染まった一塁側の早大応援席のボルテージは最高潮に達したが、動じることなく「いつも通り変わらずに、今までやってきたことを信じて投げました」。早大の強打者、3番・熊田を迎えたが、フルカウントから最後は120キロのチェンジアップで二ゴロに仕留め、スコアボードに6つ目の「0」を刻んだ。

 リーグ優勝へ後がなくなった負けられない一戦。計り知れない重圧がのしかかっていたはずだが「負けたら終わりだというよりかは、一日でも長く4年生と野球がしたいという気持ちだけだった。ネガティブな感情はなかったです」。1回完全投球で圧巻の神宮デビューを果たした春の早慶戦は「ふわふわで、地に足がついていないような感じだった」と振り返るが、2万8000人の大観衆が詰めかけた今秋の“華の早慶戦”でも堂々たる投球を披露。堀井哲也監督は「シーズン後半、竹内が先発して試合を作ってくれていたので期待を込めて送り出しました。200点の出来だったと思います」と竹内の快投を称賛。右腕も「自分のピッチングができたことは良かった」と胸を張った。

 チームとしても、そして個人としても絶対に負けられない理由があった。リーグ優勝を果たせば明治神宮大会への切符を手にするが、V逸となれば今秋のリーグ戦を持って4年生は大学野球生活にピリオドを打つ。「一日でも長く4年生と野球がしたい」。4点リードの8回、2番手・谷村然投手(4年・桐光学園)がピンチを切り抜けた際は、谷村よりも大きなガッツポーズを見せるなど、その気持ちこそが竹内を突き動かす原動力となっていた。

 泣いても笑ってもリーグ戦はあと1試合。「明日も4年生と試合ができることに喜びを感じて、絶対に勝ちたいです」と背番号45。大好きな先輩たちと過ごす時間を、絶対に終わらせない。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)
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