「最後の打席のフォアボールも大きくて価値がある」
1勝1敗の五分で迎えた『SMBC日本シリーズ2023』の第3戦。本拠地甲子園で勢いをつけたかった阪神だが思惑通りには行かず、オリックスに逆転負けを喫した。
しかしCSでは10打数2安打、日本シリーズでも2戦で9打数1安打と不振に喘いでいた森下翔太がこの日は躍動した。6回先頭で打席に入ると、代わった小木田敦也の2球目をライトへクリーンヒット。2-5と3点ビハインドの7回、二死一・三塁のチャンスでは山岡泰輔の決め球の縦スライダーを一閃し、打球は一、二塁間を抜く2点タイムリーヒットで気を吐いた。
30日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に解説として出演した高木豊氏は「森下はブリブリブリブリ引っ張っていたんですよ」とここまでの不振の原因を分析。「ただ絶対に引っ張れないボールなんで右に持っていったんですけれども、こういうヒットが出てくると森下は上がってくるし、今度は引っ張れるボールが来ると思うんですよ。流されると今度は流されたくないボールを投げるので」とコースに逆らわないバッティングが好循環を生むと解説し「明日辺りはホームランを打つかもしれませんね」と予言まで飛び出した。
またMCを努めた谷繁元信氏は「最後の打席のフォアボールも大きくて価値があると思う」と9回2アウトながらランナー二塁の一打同点の場面で、オリックスの守護神・平野佳寿のフォークを見極めもぎ取った四球を称えた。
もう一人の解説者の五十嵐亮太氏も「森下が当たり始めたらピッチャーとしてはめちゃくちゃ怖いですよ。1、2番の近本(光司)、中野(拓夢)から繋がっての森下というのは、相手からしたら絶対に(チャンスで回して)はいけない場面になるので、こういった場面でヒットが出るとなると、阪神に得点のチャンスが広がるということになる。ここが上がってきたことは阪神にとってとても流れがあるのかなと思いますね」とクリーンアップの一角が機能することで、打線の爆発につながると解説した。
不振を極めていたゴールデンルーキーの復活は、シリーズの流れを変える起爆剤となる可能性を秘めている。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』