「他の中継ぎ陣を使いたくないベンチの思いに応えた」
阪神の3勝2敗で迎えた「SMBC日本シリーズ2023」の第6戦。勝てば日本一となるゲームだったが1-5で敗戦を喫した。
5回4失点と苦しい内容でマウンドを降りた村上頌樹の後を受けたのは、明日の先発もあるのではと言われ、2011年以来リリーフ登板のない西勇輝だった。
6回には福田周平に二塁打、7回には紅林弘太郎に四球とランナーを背負いながらも得点は許さぬベテランらしいピッチングを披露。しかし8回先頭の頓宮裕真に痛恨のホームランを浴びダメ押しに近い5点目を献上したが、その後は3人で片付け3イニングを投げ切った。
4日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』の解説を務めた坂口智隆氏は「西投手は点は取られはしましたけど、3イニング投げてくれたことによってリリーフ陣が今日休めたので、あすは全員で戦えるというところで、大きな存在となったと思いますね」と慣れないポジションでの奮投を称えた。
もう一人の解説者の谷繁元信氏は「西本人も2戦目に先発して自分のエラーもあり打ち込まれていいピッチングができなかった。それをなんとか取り返したいという思いと、あとは戦略的なことをいうと、西が出た時点で3点差ですから他の中継ぎ陣をそこまで使いたくないというベンチの思いがあったと思うんですね。そこに西がしっかりと応えてくれた」とビハインドの場面で、勝ちパターンの中継ぎを温存できた意味の重要性を説いていた。
日本一を決めることはできなかった阪神だが、西勇輝の地味ながら献身的な仕事はきっと明日に繋がるはずだ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』