ダウン更改
大貫晋一が契約更改を行い「7000万から8000万の間」とダウンでサインしたと明かした。 5年目の今シーズンは春先から肩の肉離れを発症する苦しいスタート。最終的には先発として13試合に登板し、5勝4敗、防御率2.95と、昨年の24試合登板、11勝8敗から大きく成績を落としてしまった。
更改の席で球団からは「来年はローテーション守って一年間投げることを期待している」と奮起を促された明かし「今年は個人的に成績も良くなかったですし、あらためて責任を感じている」と第一声。「実際ポストシーズン投げることもできなかったです、来年こそ大事な舞台で投げられるようにしたいです。やっぱり悔しいシーズンだったというのは正直あります」とトータルでは納得できるシーズンではなかったと振り返った。
しかし「後半初完封も含めて少し盛り返すことができたので、そういった意味では来季に向けて良い収穫になったとは思っている」と9月後半から好投し、10月1日には“マダックス"を達成するなど手応えも感じ「今年は色んなことにチャレンジし、トレーニングもリカバリーも色んな人の話を取り入れながらやったというのは大きな財産になったと思う」と笑顔。投球にも「今年はいろいろ試しながら投げている部分が多かったので。例えばスプリットだと、落ち幅の違うボールを投げてみたりとか色々やりました」とトライしたと告白。「来年に関しては使えるボールだけを取捨選択して投げていきたいなと思っているので、あたらしいボールとかよりも今あるものを磨いて精度を高めることが大事と今シーズン投げて思った。強いて言えばカットボールをもっと使えるようになれば、バッターも絞り辛くなるのかなと考えています」とすでに明確に捉えている。
来季に向け「自分のペースで」
昨年オフは渡米したが「今年は国内で、いつもお世話になっているジムで始めています。肩周りのメンテナンスや身体の可動域や機能性を上げることをやって、怪我をしないカラダ作りをやっていきたいなと思います」と慣れ親しんだ場所でじっくりとブラッシュアップを計画中。
また同級生の今永昇太はMLB挑戦、昨年開幕投手を狙うと宣言したこともあり、自然とチームの中心として期待がかかるが「今年それで空回りしてしまったので…」と首を振り「僕には僕のスタイル、自分のペースでまずはローテーションの枠をしっかり取って、来年こそ怪我せず1年回って、規定投球回数投げることがトータルで見ると大事なことだと思うので、そういう想いは内に秘めながらやっていきたいなと思います」と控え目ながら信念を感じさせる言葉を残した大貫晋一。知性派ハマっ子右腕は、黙々とターゲットに向かって前進していく。
取材・文・写真 / 萩原孝弘