ロッテはチームビジョンとして、常勝軍団になることを目標に掲げている。今季野手では安田尚憲、藤原恭大、山口航輝、佐藤都志也、茶谷健太、友杉篤輝、和田康士朗、小川龍成といった若手選手たちが多くの時間を一軍で過ごした。“Vision2025”を実現させるためには、ここに名前の挙がった選手たちをはじめ若手選手たちが、1人でも多く”期待の若手を卒業“しなければならない。特に安田、藤原、山口の3人は、1日も早く一人前になってチームを引っ張る存在にならなければならないだろう。
花を咲かせるところまで、もう一歩のところまで来ている。安田は前半戦を終えた時点で打率.260、7本塁打、32打点で自身初となるオールスターにも出場したが、後半戦に失速。それでも、クライマックスシリーズ進出へ絶対に負けが許されないシーズン最終戦となった10月10日の楽天戦ではシーズン自己最多タイとなる第9号ソロを放てば、CSではソフトバンクとのファーストステージ第1戦で2安打2打点、3戦目には途中出場してサヨナラ打を含む2安打、オリックスとのファイナルステージでも第2戦に2安打3打点と勝負強さを発揮した。
良い形でシーズンを終えたが、この1年について「やれたところもありますし、課題も多く残ったシーズンにはなったので、悔しさはもちろんあるシーズンでした」と振り返った。
山口は練習試合、オープン戦で合計7本のアーチを描き、開幕前に目標に掲げていた30本塁打に期待がかかったが、今季の本塁打数は14本。「自分自身にとって情けないシーズンだったと思います」と悔しがった。
プロ5年目で初めて規定打席にも到達した。「一つの目標としてあったので、そこは達成できて良かったと思います。これだけ低い数字でも打席立たせてもらったので、監督、コーチ陣に感謝したいと思います」。打率.235、14本塁打、57打点という数字に全く満足していない。
藤原も春先に一時打率と安打数でリーグトップに立つなど好スタートを切り、5月17日に故障で離脱するも、復帰後も故障前と変わらずコンスタントに安打を放ち、故障前の5月6日ソフトバンク戦から故障復帰後の6月17日のDeNA戦にかけて12試合連続安打。
故障から復帰後も“1試合に1安打”安打を放ち、今季こそレギュラーを掴むかと思われたが、交流戦明けはなかなか思うようにいかなかった。試行錯誤した中で10月2日の西武戦からバットを変更し、6月のオリックス戦では2本の適時打を含む3安打2打点、クライマックス・シリーズでもオリックスとのCSファイナルステージ第4戦で山﨑颯一郎から本塁打を放った。
ファームから指導してきた福浦和也コーチは安田、藤原、山口の3人の現状をどう見ているのだろうかーー。
「本当に良かった月もあれば、悪かった月もある。そこをなんとかコンスタントに。調子が悪い時を短く、調子が良い時を長く。1年間戦える体力、メンタルがもっともっとつけば1年間戦えると思います」。
彼ら3人だけでなく、ロッテの若手選手に共通しているのは、“短期間”では活躍するが、シーズン通して安定した活躍ができないこと。
その点についても福浦コーチは「試合に出ないと、体力もつかない。試合に出るということは調子が良いからずっと出られるわけであって、怪我したり、不調が長いとなると…。怪我をすることが1番ダメじゃないですかね、試合に出られなくなってしまうので、怪我をしない。尚且つ技術もそうですけど、メンタルもそうですし、しっかり準備して毎試合毎試合臨めるか、臨めないかそういうところだと思います」と説明した。
常勝軍団を目指す2025年まで、残された時間が少ない。安田、藤原、山口をはじめ、期待の若手野手陣が“期待の若手”を卒業し、不動のレギュラーとなり、成績でチームを引っ張るようにならなければ明るい未来が描けなくなる。来季こそ、“本物”のレギュラーになりたい。
取材・文=岩下雄太
花を咲かせるところまで、もう一歩のところまで来ている。安田は前半戦を終えた時点で打率.260、7本塁打、32打点で自身初となるオールスターにも出場したが、後半戦に失速。それでも、クライマックスシリーズ進出へ絶対に負けが許されないシーズン最終戦となった10月10日の楽天戦ではシーズン自己最多タイとなる第9号ソロを放てば、CSではソフトバンクとのファーストステージ第1戦で2安打2打点、3戦目には途中出場してサヨナラ打を含む2安打、オリックスとのファイナルステージでも第2戦に2安打3打点と勝負強さを発揮した。
良い形でシーズンを終えたが、この1年について「やれたところもありますし、課題も多く残ったシーズンにはなったので、悔しさはもちろんあるシーズンでした」と振り返った。
山口は練習試合、オープン戦で合計7本のアーチを描き、開幕前に目標に掲げていた30本塁打に期待がかかったが、今季の本塁打数は14本。「自分自身にとって情けないシーズンだったと思います」と悔しがった。
プロ5年目で初めて規定打席にも到達した。「一つの目標としてあったので、そこは達成できて良かったと思います。これだけ低い数字でも打席立たせてもらったので、監督、コーチ陣に感謝したいと思います」。打率.235、14本塁打、57打点という数字に全く満足していない。
藤原も春先に一時打率と安打数でリーグトップに立つなど好スタートを切り、5月17日に故障で離脱するも、復帰後も故障前と変わらずコンスタントに安打を放ち、故障前の5月6日ソフトバンク戦から故障復帰後の6月17日のDeNA戦にかけて12試合連続安打。
故障から復帰後も“1試合に1安打”安打を放ち、今季こそレギュラーを掴むかと思われたが、交流戦明けはなかなか思うようにいかなかった。試行錯誤した中で10月2日の西武戦からバットを変更し、6月のオリックス戦では2本の適時打を含む3安打2打点、クライマックス・シリーズでもオリックスとのCSファイナルステージ第4戦で山﨑颯一郎から本塁打を放った。
ファームから指導してきた福浦和也コーチは安田、藤原、山口の3人の現状をどう見ているのだろうかーー。
「本当に良かった月もあれば、悪かった月もある。そこをなんとかコンスタントに。調子が悪い時を短く、調子が良い時を長く。1年間戦える体力、メンタルがもっともっとつけば1年間戦えると思います」。
彼ら3人だけでなく、ロッテの若手選手に共通しているのは、“短期間”では活躍するが、シーズン通して安定した活躍ができないこと。
その点についても福浦コーチは「試合に出ないと、体力もつかない。試合に出るということは調子が良いからずっと出られるわけであって、怪我したり、不調が長いとなると…。怪我をすることが1番ダメじゃないですかね、試合に出られなくなってしまうので、怪我をしない。尚且つ技術もそうですけど、メンタルもそうですし、しっかり準備して毎試合毎試合臨めるか、臨めないかそういうところだと思います」と説明した。
常勝軍団を目指す2025年まで、残された時間が少ない。安田、藤原、山口をはじめ、期待の若手野手陣が“期待の若手”を卒業し、不動のレギュラーとなり、成績でチームを引っ張るようにならなければ明るい未来が描けなくなる。来季こそ、“本物”のレギュラーになりたい。
取材・文=岩下雄太