ニュース 2023.12.13. 17:00

山本由伸、村上頌樹、牧秀悟…“98年世代”は最強世代!?

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自身2度目の無安打無得点試合を達成したオリックス・山本由伸 (C) Kyodo News
 “松坂世代”、“88年世代”、“大谷・藤浪世代”など、注目選手が多くいる世代をこのように括られることが多いが、今の日本プロ野球界で“98年世代”が実は最強世代のひとつかもしれない。

 1998年といえば、“松坂世代”の松坂大輔氏が横浜高で甲子園春夏連覇を達成し、プロ野球界では横浜ベイスターズ(現DeNAベイスターズ)が38年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成。海の向こうメジャーリーグでは、マーク・マグワイアとサミー・ソーサの60本塁打を超える本塁打王争いが繰り広げられ、最終的には70本塁打を放ったマグワイアがナショナル・リーグの本塁打王のタイトルを獲得した。

 そんな、98年世代の代表的な選手というと、今オフポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指している山本由伸(オリックス)だろう。都城高時代は甲子園出場がなく、16年ドラフト4位でオリックスに入団。2年目の18年に54試合に登板し一軍に定着すると、翌19年から先発に転向し同年に最優秀防御率、20年に最多奪三振のタイトルを獲得。21年から3年連続で投手4冠、3年連続沢村賞にMVPと日本を代表するエースに成長した。

 プロ3年目の今季、最優秀防御率、新人王、MVPに輝き、大ブレイクした村上頌樹(阪神)も“98年世代”。村上は智弁学園高3年春に甲子園優勝投手となり、東洋大を経て20年ドラフト5位で阪神に入団。昨年までの2年間はファームでタイトルを獲得しながらも、一軍に定着でなかったが、3年目の今季一気に花が咲いた。

 山本、村上をはじめ、投手陣にチームの顔と呼べる選手が多い。WBC野球日本代表で世界一に貢献した宇田川優希(オリックス)、山﨑颯一郎(オリックス)、今季自身初の二桁勝利を挙げた山﨑伊織(巨人)、種市篤暉(ロッテ)、今井達也(西武)。タイトルホルダーでいえば、21年の最優秀中継ぎ投手の堀瑞輝(日本ハム)、昨季の最優秀中継ぎ投手と新人王の水上由伸(西武)もそうだ。そのほかにも、森浦大輔(広島)、木澤尚文(ヤクルト)、藤嶋健人(中日)、早川隆久(楽天)、河野竜生(日本ハム)などがいる。

 野手陣では野球WBC日本代表で世界一に貢献した牧秀悟(DeNA)が代表的な選手の一人。牧は20年ドラフト2位でDeNAに入団し、1年目の21年に打率.314、22本塁打、71打点をマークすると、2年目も打率.291、24本塁打、87打点、そして3年目の今季は全143試合に出場して、打率.293、29本塁打、103打点で自身初の打点王と最多安打の打撃タイトルを獲得した。

 98年世代の野手で初の個人タイトルを手にしたのは和田康士朗(ロッテ)だ。17年育成1位でロッテに入団し、3年目の開幕前に支配下選手となると、代走の切り札として23盗塁をマーク。翌21年に24盗塁を記録し、自身初の盗塁王を手にした。今季はプロ初本塁打を含む3本塁打、打率.265、9打点、走っても20盗塁と、来季はレギュラー獲得が期待される。

 佐藤輝明(阪神)はリーグ3位の92打点、リーグ4位の24本塁打と広い甲子園を本拠地にする球団に所属しながら長打力を発揮すれば、昨年現役ドラフトで中日に移籍し今季24本塁打、78打点で才能を開花させた細川成也(中日)もこの世代だ。今季再び捕手に戻った坂倉将吾(広島)は2年連続全試合出場とはならなかったが、120試合に出場して、打率.266、12本塁打、44打点の成績だった。

 すでに日本を代表する選手の山本、これから球界を引っ張っていきそうな選手が混在する楽しみな“98年世代”。この先、どのようにプロ野球界を盛り上げていくか注目だ。
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