藤浪晋太郎

◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2023年:第9回・藤浪晋太郎

 2013年から22年まで阪神に在籍した藤浪晋太郎。10年間で記録した57勝のうち35勝を3年目までに挙げており、4年目以降の7年間は22勝に終わった。

 そんな阪神での最終年は防御率3.38と復活の兆しを見せていたが、オフにポスティングシステムを使ってメジャーに挑戦。近年は“お荷物球団”と揶揄されるアスレチックスでメジャー1年目をスタートさせた。

 オープン戦で5試合に登板し、3勝0敗、防御率3.86と結果を残した藤浪は、開幕2戦目の先発マウンドを任された。初回から2者連続三振を奪うと、3人目の対戦相手は同期の大谷翔平。メジャー屈指のスラッガーを内野ゴロに打ち取るこれ以上ない出だしを見せた。しかし、3回の先頭打者に四球を与えると、その回だけで8失点と大炎上。藤浪のメジャー挑戦はそんな幕開けだった。

 チームはその後も藤浪を先発で起用。4試合に登板したが、突如崩れる悪癖は一向に改善されず。1か月も経たないうちに中継ぎに配置転換となった。

 救援では、時折驚くような好投を見せることもあったが、不安定さは変わらず。6月下旬までは防御率10点台が続いた。

 それでも6月を月間防御率3.97で終えると、7月に優勝争いの渦中にいたオリオールズに電撃移籍。メジャーワースト勝率のアスレチックスから、当時ア・リーグで最高勝率を誇っていたチームへ移り、状況は一変した。

 ただし、移籍後も不安定な投球は大幅に改善されることはなく、首脳陣から信頼を得るには至らず。ポストシーズンではロースター落ちを味わった。

 結局、防御率はアスレチックスで8.57、オリオールズで4.85だったが、救援登板時はほぼ同じ防御率だった。

◆ 制球力の課題は大幅に改善されず

 やはり藤浪にとって最大の課題は制球力だろう。今季の与四球率は5.13だったが、これは70イニング以上投げたメジャーの199投手の中でワースト5位。調子がいい時は相手打者も手が付けられない投球を披露するだけに首脳陣も起用法には頭を悩ませたのではないだろうか。

 また、7月途中まで在籍したアスレチックスで5勝を挙げていたが、これは同チームで32試合に先発したJPシアーズと並んでチームの勝ち頭という珍記録も残した。

 11月にFAとなり、ウインターミーティングでは複数のチームからオファーもあったというが、メジャー契約を結べるかは微妙な情勢。来季は果たしてどのユニホームを纏うのかに注目が集まる。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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