積極補強
救援防御率リーグワーストの3.81だった巨人は今オフ、リリーフ陣を積極的に補強している。
アダム・ウォーカーとのトレードでソフトバンクの高橋礼と泉圭輔を獲得。高橋は19年に先発で12勝を挙げ、20年にはリリーフで52試合、23ホールド、防御率2.65の成績を残せば、泉も今季一軍で3試合の登板にとどまったが、20年から3年連続30試合以上に登板し、20年には8ホールド、防御率2.08。オリックス時代の17年から3年連続50試合以上に登板し、今季は12試合に登板した近藤大亮を金銭トレードで獲得。
さらに、現役ドラフトでは今季リーグ優勝した阪神で19試合に登板して、3ホールド、防御率2.45の成績を残した馬場皐輔、26日には今季阪神で27試合に登板したカイル・ケラーを補強した。
リリーフ陣に厚み
今季は救援防御率リーグワーストだっただけでなく、シーズン通して“勝利の方程式”を固定することができなかった。開幕直後は守護神・大勢の前を投げる7回、8回に苦労し、直江大輔、田中千晴が7回、8回に収まるかと思われたが、長くは続かず。5月17日に中川皓太が一軍復帰し、8回・中川、9回・大勢の形ができつつあったが、6月30日に大勢が一軍登録を抹消。
その後は、中川が勝ち試合の9回を投げ、その前を新外国人のバルドナード、鈴木康平、高梨雄平、菊地大稀、船迫大雅、ビーディなど様々な投手が投げた。特に高梨は勝ち試合だけでなく、ビハインドゲームやイニング跨ぎなど1人で何役もこなすなど、ブルペンの台所事情の苦しさが物語っていた。
新戦力と共に、菊地、船迫といった若手がしっかりと来季、今季積んだ経験を活かすことができれば、間違いなくブルペンの層は厚くなる。
これまではFAで積極的に大物選手を補強してきた印象が強いが、このオフはウィークポイントを的確に補強している。ウィークポイントが来季、ストロングポイントに変えることができるか注目だ。