2024年が始まってから早くも5日目だ。プロ野球界に目を向ければ、2月1日の春季キャンプまで1カ月を切った。 ロッテは吉井理人監督が就任してから、選手の自主性を口にすることが多い。野手陣に関しては、秋季練習でバットを振る量などは選手の自主性に任せ、コーチ陣が選手たちの練習を見守り、時にアドバイスをするというスタイルだった。シーズンオフの自主トレを見据えながら、秋季練習を過ごしシーズンオフに突入した。自主トレ期間に自分と向き合い、何をやるべきか、何が必要か考え、どのように過ごしていくかが非常に重要だ。
ロッテの選手でいえば、西村天裕が昨季開幕前に日本ハムからトレードで加入し、移籍1年目にシーズン自己最多の44試合に登板して防御率1.25と大ブレイクした。活躍の裏には、自主トレの期間からしっかりと自身と向き合ったことが大きい。
22年までは奪三振にこだわりを持っていたが、三振に執着することでカウントを苦しめることが多かったこともあり、昨年一緒に自主トレを行った阪神・青柳晃洋の助言で考え方を改め、アウトの取り方にこだわるようになった。それだけが大ブレイクに繋がったわけではないが、奪三振率がプロ入り後ワーストの8.52も好成績に繋げたのは、少ない球数でアウトを積み重ねることができたからだろう。昨季は44試合中20球以上投げた試合は12試合、1イニングを15球以内で終えた試合は21試合だった。
野手でも22年にプロ入り後自己ワーストの28試合の出場に終わった藤岡裕大は、23年に向けた自主トレで、スイングのフォームを見直すことをテーマに取り組み、打撃フォームも「もっと打ちたいから」という理由で改造。開幕してからもシーズンを戦い抜くために体をケアし、「映像を見ながらここがこうなっているから、こうしようとかは自分でチェックポイントを理解できるようになってきた」と打撃を微修正した。CSで劇的3ランを放つなど、規定打席に届かなかったものの、打率.277、1本塁打、22打点の成績を残した。
自主トレの取り組み方が全てではないが、他の選手との“差”が生まれやすいのもこの時期だ。特に一軍で居場所を掴みたい選手たちは、2月1日から本格的な競争が始まる前に、ここでどれだけ有意義な時間を過ごせるかが重要になってくる。キャンプが始まってから自身を追い込むのではなく、2月1日から実戦があっても戦えるくらいの体力、プラスアルファ自身で考える習慣を身につけていなければ、キャンプのスタートで躓く可能性もある。
昨年11月に行われた秋季練習中、福浦和也コーチに取材した際、「しっかり自分の長所を考えて、伸ばして、あとはどういうふうに来年(2024年)に向かって今年(2023年)の反省を生かしてやれるか。自分で考えてやる人もいれば、いろんなところに自主トレで勉強、引き出しを増やしたりとか、そういうところだと思いますね」と話した。
黒木知宏投手コーチも、昨年11月に行われた秋季練習最終日に取材したときに「今日(2023年11月16日)で1年間の全体の練習が締めくくりなので、ここから先ですよね。自分が課題を克服するためにしっかりと取り組んでいくのか、あ〜い〜やと怠けちゃって結局蓋を開けてみたら慌てちゃって、2月1日にどうしようもないとおこることもあるので、すごく大事な時期。そうならないように常々選手たちにはそういう声掛けしたり、課題はこうだよねというのはこの秋やってきましたよね」と、若手投手陣については秋季練習中に個別でミーティングを行ってきた。また黒木コーチは「人は弱いところがあるので、弱さも認めてもいいんですよ。ただやる時はやる、メリハリをつけてくれればいい。元気な姿で2月1日に会いたいなと思いますね」と話していた。
今季に向けた戦いは、かなり大袈裟かもしれないが、自主トレから始まっている。2024年にリーグ優勝、日本一を勝ち取るために、最高の状態で2月1日に迎えて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太
ロッテの選手でいえば、西村天裕が昨季開幕前に日本ハムからトレードで加入し、移籍1年目にシーズン自己最多の44試合に登板して防御率1.25と大ブレイクした。活躍の裏には、自主トレの期間からしっかりと自身と向き合ったことが大きい。
22年までは奪三振にこだわりを持っていたが、三振に執着することでカウントを苦しめることが多かったこともあり、昨年一緒に自主トレを行った阪神・青柳晃洋の助言で考え方を改め、アウトの取り方にこだわるようになった。それだけが大ブレイクに繋がったわけではないが、奪三振率がプロ入り後ワーストの8.52も好成績に繋げたのは、少ない球数でアウトを積み重ねることができたからだろう。昨季は44試合中20球以上投げた試合は12試合、1イニングを15球以内で終えた試合は21試合だった。
野手でも22年にプロ入り後自己ワーストの28試合の出場に終わった藤岡裕大は、23年に向けた自主トレで、スイングのフォームを見直すことをテーマに取り組み、打撃フォームも「もっと打ちたいから」という理由で改造。開幕してからもシーズンを戦い抜くために体をケアし、「映像を見ながらここがこうなっているから、こうしようとかは自分でチェックポイントを理解できるようになってきた」と打撃を微修正した。CSで劇的3ランを放つなど、規定打席に届かなかったものの、打率.277、1本塁打、22打点の成績を残した。
自主トレの取り組み方が全てではないが、他の選手との“差”が生まれやすいのもこの時期だ。特に一軍で居場所を掴みたい選手たちは、2月1日から本格的な競争が始まる前に、ここでどれだけ有意義な時間を過ごせるかが重要になってくる。キャンプが始まってから自身を追い込むのではなく、2月1日から実戦があっても戦えるくらいの体力、プラスアルファ自身で考える習慣を身につけていなければ、キャンプのスタートで躓く可能性もある。
昨年11月に行われた秋季練習中、福浦和也コーチに取材した際、「しっかり自分の長所を考えて、伸ばして、あとはどういうふうに来年(2024年)に向かって今年(2023年)の反省を生かしてやれるか。自分で考えてやる人もいれば、いろんなところに自主トレで勉強、引き出しを増やしたりとか、そういうところだと思いますね」と話した。
黒木知宏投手コーチも、昨年11月に行われた秋季練習最終日に取材したときに「今日(2023年11月16日)で1年間の全体の練習が締めくくりなので、ここから先ですよね。自分が課題を克服するためにしっかりと取り組んでいくのか、あ〜い〜やと怠けちゃって結局蓋を開けてみたら慌てちゃって、2月1日にどうしようもないとおこることもあるので、すごく大事な時期。そうならないように常々選手たちにはそういう声掛けしたり、課題はこうだよねというのはこの秋やってきましたよね」と、若手投手陣については秋季練習中に個別でミーティングを行ってきた。また黒木コーチは「人は弱いところがあるので、弱さも認めてもいいんですよ。ただやる時はやる、メリハリをつけてくれればいい。元気な姿で2月1日に会いたいなと思いますね」と話していた。
今季に向けた戦いは、かなり大袈裟かもしれないが、自主トレから始まっている。2024年にリーグ優勝、日本一を勝ち取るために、最高の状態で2月1日に迎えて欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太