育成選手として入団
「まずは大前提として早く支配下に上がって、その後しっかり一軍の力になれるようにと思ってやっています」。
吉田凌が、育成選手としてロッテに今季から加わった。吉田は15年ドラフト5位でオリックスに入団し、プロ5年目の20年に35試合に登板して2勝2敗7ホールド、防御率2.17の成績を残した。翌21年からオリックスはリーグ3連覇を達成し、吉田も21年に18試合、防御率2.12、22年は6試合に登板して防御率8.10だったが、昨季も19試合に登板して4ホールド、防御率3.24だった。昨年のオフにオリックスから戦力外通告を受け、23年11月23日にロッテが非公開で実施した入団テストに参加し、11月28日にテストの結果、育成選手として入団することが決まった。
吉田の武器のひとつがスライダー。左打者のインコースに食い込んでくるスライダー、左打者の外から入ってくるスライダー、120キロ台前半のカーブのような軌道のスライダー、縦に落ちるスライダーと数種類のスライダーを投げ分ける。しかし、本人は「基本内と外でスピード差があるくらいなので、それぐらいです」と話し、「僕的にはあんまり変えていないので、たまにリリースポイントで縦になったり、横になったりするので、特には」と教えてくれた。
左打者の外角と右打者のインコースにシュートを投げる。145キロ以上の球速を記録するのがストレートの認識で良いのか聞くと、吉田は「日によってはシュートの方が速かったりするので、148の日とかもあります。日によってという感じです」とのこと。
同級生と元チームメイトの存在
新天地のマリーンズでは同学年の選手が育成選手を合わせると12人おり、オリックス時代にチームメイトだった澤田圭佑、大下誠一郎などもいる。
「同級生も多いですし、大下もいるので色々聞きながら、澤田さんもいるので2人に聞きながらやっているところです」。
2月2日のブルペンでは、途中から大下がマスクを被り、“元オリックス組”のバッテリーが実現。「内野手のイメージしかないので、最初めっちゃ違和感がありました。知っている仲なので投げやすかったです」と、捕手・大下を評価した。
支配下復帰へ向け
オリックス時代はリリーフで存在感を示していたが、マリーンズではまず、育成選手としてスタートを切ることになった。
新天地移籍が決まって初めてのオフは「例年と変わらず投げるのは継続してという感じで、特にそんなに変えていないですね」と、ロッテ浦和球場でランニングやキャッチボールなどで汗を流していることが多かった。
そして、春季キャンプでは「実戦入ってずっと抑えることが1番のアピールだと思うので、そこを意識していきたいと思います」と、実戦に向けて準備を進める。
支配下選手登録になるため吉田は「怪我せずしっかりといい状態を1年間保つことが、大事なのかなと思います」と語った。とにかく結果を残して、1日も早く支配下選手登録となり、マリーンズのブルペンの競争に入りたい。
取材・文=岩下雄太