育成選手として再出発
「まずはしっかり動けるところを見せて、それに伴って今までよりレベルアップした姿を見せられればいいなと思っています」
ロッテの菅野剛士は今季、育成選手として契約を結んだ。菅野は17年ドラフト4位でロッテに入団し、1年目の18年には3月30日に行われた楽天との開幕戦に『6番・左翼』で先発出場するなど、同年は53試合に出場して打率.176、2本塁打、18打点。「良い1年にできるように、スタートダッシュできるようにアピールし続けたい」と決意し迎えた3年目の20年は81試合に出場して、打率.260、2本塁打、20打点、出塁率は.389、守っても外野の守備で無失策とレギュラーに近い存在となった。
21年以降は33試合、22年が41試合、そして昨季は6試合の出場にとどまり、23年7月6日の試合中に左ハムストリング腱部分断裂し、同月10日に都内の病院でハムストリング腱切除術を受けた。同年10月3日戦力外通告を受け、11月27日に育成選手として再出発することになった。
シーズンオフの自主トレでは、「手術をしたので、そこの走るのを確認しながら。そこでもあげていけるところは上げていかないといけない」とし、「昨年は手術しているので、そこの患部も完全に良くなっている。そこをケアしながらだけど、やれるところはトレーニングしてもっともっと強くしていこうかなと思います」と手術した左足は現状では問題ない。
攻走守でアピールを!
菅野といえば出塁率の高さ、広角に打ち分ける打撃が魅力。「バッティングでは打つ選手が使われると思うので、結果にこだわってやっていきたい」。打撃練習を見ると、すり足気味に打っているが、「バッティング練習なので、タイミングを取りながらやっている。色々考えながら試行錯誤しています」と明かした。
走塁では、プロ通算3盗塁だが、“1つ先の塁を狙った走塁”が得意で、昨季も4月18日のヤクルト二軍戦でライト前にポトリと落ちる安打で一塁走者の菅野は三塁へ進塁し、5月18日の楽天二軍戦ではライトへの犠牲フライで一塁走者の菅野は二塁へタッチアップした。
「実戦に入ってきてから、もっと細かくなってくると思うので、出力、しっかり走れるようにコンディショニングを整えていきたい」。
守っても20年に外野で60試合に出場して無失策を記録するなど堅実。「守備も全然問題なく動けているので、またこれからどんどん試合に向けてあげるところは上げてやっている段階。そこを気をつけながらやっています」。
支配下選手登録復帰に向けて、菅野は「早いに越したことはないので、いち早く戻れるように今はしっかり練習、トレーニング、コンディショニングをしっかりやりたいと思います」と意気込む。そして、今季は「今までより一番良いシーズンでチームが優勝できるように頑張りたい」と、育成選手ではあるが、あくまで一軍の戦力となってリーグ優勝に貢献することが目標だ。秋に歓喜の輪に加わってみせる。そのために、1日も早く支配下選手に復帰したい。
取材・文=岩下雄太