ブレずにセンター返しの打撃
「やることは変わらない。1個1個継続してやっていくだけです」。
ロッテの茶谷健太は、今春はショートのレギュラー格として期待されるが、気持ちは開幕一軍を目指していた昨年と変わらない。
「センター返しを意識してもちろんやっているんですけど、ちょっと体が開いたりとか、振り遅れるファウルになったりとか調子が悪くなる傾向が出ている。去年もそうだったですけど、その期間を短くできるようにと思って取り組んでいます」。
2月13日からの対外試合では2月17日の広島との練習試合で2安打、2月24日の韓国ロッテとの練習試合で本塁打を含む3安打3打点と、練習試合期間の打率は.368(19-7)、1本塁打、3打点とバットでアピールした。
オープン戦が始まってからはなかなか安打を放つことがができずにいた。その間の打撃練習でもブレずに“センター返し”の意識で打撃練習を継続し、「下半身が大事なので、下半身の使い方を教わりながらやっています」と、ZOZOマリンスタジアムで行われたオープン戦の試合前練習には福浦和也ヘッドコーチ兼打撃コーチから下半身の使い方についてアドバイスをもらう日もあった。
3月23日の中日とのオープン戦では『7番・遊撃』で先発出場し、5回の第2打席にライト前に16日のオリックス戦以来となる安打を放つと、7回の第3打席に三塁への内野安打。この春のオープン戦では初のマルチ安打を記録した。
遊撃のレギュラー候補も
守備面でも開幕一軍を目指していた昨季は、練習試合、オープン戦で一塁、三塁、遊撃と3つのポジションで出場していたが、この春は基本的に遊撃での出場がメイン。練習試合は出場した8試合全てが遊撃で、オープン戦も途中出場した3月13日の阪神戦、試合途中に遊撃から一塁にポジションを移った3月23日の中日戦以外は全て遊撃での出場となっている。
遊撃での出場が多いことについて茶谷は「今は守らせてもらっている状態なので、なんとか勝ち取れるように頑張ってやっていきたいと思います」と決意を口にした。
一塁での出場機会はこの春は少なくなっているが、「ファーストは何があるかわからないので、考えられる範囲でやっています」と、ZOZOマリンスタジアムでの試合前練習では遊撃だけでなく、一塁ミットを持って守備練習を行っていた。実際に取材した3月13日の阪神戦で一塁の守備に就いている。
19年に育成選手としてロッテに加入してから、限られたチャンスをモノにし、今の立ち位置まで這い上がってきた。「大事なところでしっかり打てることが求められているところだと思うので、良いところで打てるようにやっていきたい」。今年は調子の波を小さくして、昨季以上の打率を残し、遊撃の守備でも安定したところを見せ、昨季よりも出場機会を増やしたいところだ。
取材・文=岩下雄太