話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、開幕が迫るプロ野球について、オープン戦で活躍を見せたルーキーたちにまつわるエピソードを紹介する。
中日とソフトバンクが同率で優勝を飾り、オープン戦全日程が終了した。中日は2003年以来のオープン戦優勝とあって注目を集めているが、選手個々の活躍に目を向ければ、ルーキーたちのアピール、活躍ぶりも注目点の1つだ。この勢いのまま開幕ダッシュを飾れるのか。今季ルーキーたちのなかから、オープン戦で活躍が目立った選手たちをピックアップしたい。
【打者編】
▼度会隆輝（DeNAドラフト1位：横浜高→ENEOS）
まずは何と言っても、オープン戦で打率.434と打ちまくったDeNAのドラ1ルーキー、度会隆輝だろう。新人でのオープン戦首位打者は、井上晴哉（ロッテ）以来、10年ぶり史上2人目。規定打席到達者のなかで、度会以外に打率3割超えがいないことからも、その安打製造ぶりは際立つばかりだ。
「首位打者」以外でも、「最多安打」「長打率」「出塁率」「OPS」でオープン戦1位を記録。三浦大輔監督も「開幕1番」を名言しただけに、チームに勢いを生む活躍を期待したいところ。
また、度会といえば、昨年（2023年）秋のドラフト直後のファンフェスタで人気アニメ『ワンピース』の主題歌『ウィーアー！』を熱唱するなど、サービス精神の塊であることも注目点の1つ。「夢は歌手デビューして『Mステ』に出演すること」と語るなど、人気面でも球界を牽引する男になる可能性大。球界のニュースター候補として大いに注目したい。
▼佐々木俊輔（巨人ドラフト3位：帝京高→東洋大→日立製作所）
度会がオープン戦最終戦で規定打席に到達するまで、オープン戦の個人打撃成績で注目を集めていたのが巨人の佐々木俊輔だ。最終的には規定打席にわずか「1」足りず、ランキングから名前は消えてしまったが、それでもオープン戦打率は4割ちょうどをキープ。開幕スタメンが当確、と言われている。
アニメ『おさるのジョージ』に似ていることから「ジョージ」の愛称で呼ばれている佐々木。ただ、そのスイングは「イチローのよう」と評価されたり、「篠塚の再来」と言われたりと、往年のヒットメーカーを連想させるものがある。
▼石上泰輝（DeNAドラフト4位：徳島商→東洋大）
こちらも規定打席未満ながら打率.327を記録したのはDeNAの石上泰輝。ヒット以外にも5つの盗塁を決め、周東佑京（ソフトバンク）らを抑えてオープン戦の盗塁王に輝いている。
ちなみに、オープン戦でのDeNAは、チーム盗塁数24で12球団でダントツ。昨季チーム盗塁数12球団ワーストからの大変革を図っている。80年代に高木豊、加藤博一、屋鋪要の「スーパーカートリオ」で一世を風靡した球団は、どこからでも走れる「スーパーカーナイン」として開幕後も足でセ・リーグを掻き回す予定。その象徴的選手として、ペナントレースでも石上泰輝の足はますます評価を高めるかも知れない。
【投手編】
▼西舘勇陽（巨人ドラフト1位：花巻東高→中央大）
ルーキー投手で注目を集めるのは、「巨人7回の男」として期待されている西舘勇陽だ。オープン戦は5試合に投げて防御率1.59と安定感抜群。3月19日のロッテ戦では先頭打者にホームランを許したものの、その後は3連続三振という圧巻の投球で勝利投手にも輝いている。
西館といえば、阿部慎之助新監督と同じ中央大学出身として話題だが、高校は大谷翔平と同じ花巻東高出身。偉大な先輩たちを追いかけ、どんな投球を見せてくれるのか楽しみだ。
▼松本凌人（DeNAドラフト2位：神戸国際大附高→名城大）
度会、石上のルーキーコンビが台頭したDeNAでは、投手でも松本凌人が台頭。150キロを超えるストレートが武器の右サイドハンドで、オープン戦では4試合に投げて防御率2.25とまずまずの安定感を見せた。
名城大出身といえば、ソフトバンクのドラフト2位、岩井俊介も開幕1軍入りが内定。同じ大学出身で2位同士の2人。セ・パで分かれているとはいえ、どちらが先にプロの水に慣れるか、その切磋琢磨にも注目したい。
▼土生翔太（中日ドラフト5位：横浜高→桜美林大→BCリーグ茨城）
優勝した中日の中継ぎの一角を支えたのは独立リーグ出身の土生翔太だ。最速154キロのストレートが魅力で、オープン戦ではルーキーながら7試合に投げ、防御率2.57を記録。阪神戦では白星も勝ち取っている。
ちなみに、中日はオープン戦のチーム防御率が何と1.97。つまり、各投手が結果を出したことでのオープン戦優勝だった。そのなかで存在感を示したことだけでも、大きな自信になったはずだ。
▼髙島泰都（オリックス ドラフト5位：滝川西高→明治大※準硬式→王子）
オープン戦で4試合に登板し、防御率0.00の好成績を残したのが髙島泰都。毎年のように新人や若手投手が台頭するオリックス投手陣のなかで、今年期待のニューフェースだ。
高校時代に甲子園を経験しながら、大学は準硬式野球部という異色の経歴。また、端正な顔立ちで、出身チームにちなみ「王子から来た王子様」と話題に。人気面でも大きな注目を集めるかも知れない。
今回は7人の選手を取り上げたが、それ以外でも開幕1軍を勝ち取ったルーキーはいる。また、じっくり調整段階を踏み、シーズン途中から破竹の勢いを見せる新人選手も出てくる可能性は十分にある。新たな選手が続々出てくるほど盛り上がるのがプロ野球の常。今季もルーキーたちの躍動に期待したい。
中日とソフトバンクが同率で優勝を飾り、オープン戦全日程が終了した。中日は2003年以来のオープン戦優勝とあって注目を集めているが、選手個々の活躍に目を向ければ、ルーキーたちのアピール、活躍ぶりも注目点の1つだ。この勢いのまま開幕ダッシュを飾れるのか。今季ルーキーたちのなかから、オープン戦で活躍が目立った選手たちをピックアップしたい。
【打者編】
まずは何と言っても、オープン戦で打率.434と打ちまくったDeNAのドラ1ルーキー、度会隆輝だろう。新人でのオープン戦首位打者は、井上晴哉（ロッテ）以来、10年ぶり史上2人目。規定打席到達者のなかで、度会以外に打率3割超えがいないことからも、その安打製造ぶりは際立つばかりだ。
「首位打者」以外でも、「最多安打」「長打率」「出塁率」「OPS」でオープン戦1位を記録。三浦大輔監督も「開幕1番」を名言しただけに、チームに勢いを生む活躍を期待したいところ。
また、度会といえば、昨年（2023年）秋のドラフト直後のファンフェスタで人気アニメ『ワンピース』の主題歌『ウィーアー！』を熱唱するなど、サービス精神の塊であることも注目点の1つ。「夢は歌手デビューして『Mステ』に出演すること」と語るなど、人気面でも球界を牽引する男になる可能性大。球界のニュースター候補として大いに注目したい。
▼佐々木俊輔（巨人ドラフト3位：帝京高→東洋大→日立製作所）
度会がオープン戦最終戦で規定打席に到達するまで、オープン戦の個人打撃成績で注目を集めていたのが巨人の佐々木俊輔だ。最終的には規定打席にわずか「1」足りず、ランキングから名前は消えてしまったが、それでもオープン戦打率は4割ちょうどをキープ。開幕スタメンが当確、と言われている。
アニメ『おさるのジョージ』に似ていることから「ジョージ」の愛称で呼ばれている佐々木。ただ、そのスイングは「イチローのよう」と評価されたり、「篠塚の再来」と言われたりと、往年のヒットメーカーを連想させるものがある。
▼石上泰輝（DeNAドラフト4位：徳島商→東洋大）
こちらも規定打席未満ながら打率.327を記録したのはDeNAの石上泰輝。ヒット以外にも5つの盗塁を決め、周東佑京（ソフトバンク）らを抑えてオープン戦の盗塁王に輝いている。
ちなみに、オープン戦でのDeNAは、チーム盗塁数24で12球団でダントツ。昨季チーム盗塁数12球団ワーストからの大変革を図っている。80年代に高木豊、加藤博一、屋鋪要の「スーパーカートリオ」で一世を風靡した球団は、どこからでも走れる「スーパーカーナイン」として開幕後も足でセ・リーグを掻き回す予定。その象徴的選手として、ペナントレースでも石上泰輝の足はますます評価を高めるかも知れない。
【投手編】
▼西舘勇陽（巨人ドラフト1位：花巻東高→中央大）
ルーキー投手で注目を集めるのは、「巨人7回の男」として期待されている西舘勇陽だ。オープン戦は5試合に投げて防御率1.59と安定感抜群。3月19日のロッテ戦では先頭打者にホームランを許したものの、その後は3連続三振という圧巻の投球で勝利投手にも輝いている。
西館といえば、阿部慎之助新監督と同じ中央大学出身として話題だが、高校は大谷翔平と同じ花巻東高出身。偉大な先輩たちを追いかけ、どんな投球を見せてくれるのか楽しみだ。
▼松本凌人（DeNAドラフト2位：神戸国際大附高→名城大）
度会、石上のルーキーコンビが台頭したDeNAでは、投手でも松本凌人が台頭。150キロを超えるストレートが武器の右サイドハンドで、オープン戦では4試合に投げて防御率2.25とまずまずの安定感を見せた。
名城大出身といえば、ソフトバンクのドラフト2位、岩井俊介も開幕1軍入りが内定。同じ大学出身で2位同士の2人。セ・パで分かれているとはいえ、どちらが先にプロの水に慣れるか、その切磋琢磨にも注目したい。
▼土生翔太（中日ドラフト5位：横浜高→桜美林大→BCリーグ茨城）
優勝した中日の中継ぎの一角を支えたのは独立リーグ出身の土生翔太だ。最速154キロのストレートが魅力で、オープン戦ではルーキーながら7試合に投げ、防御率2.57を記録。阪神戦では白星も勝ち取っている。
ちなみに、中日はオープン戦のチーム防御率が何と1.97。つまり、各投手が結果を出したことでのオープン戦優勝だった。そのなかで存在感を示したことだけでも、大きな自信になったはずだ。
▼髙島泰都（オリックス ドラフト5位：滝川西高→明治大※準硬式→王子）
オープン戦で4試合に登板し、防御率0.00の好成績を残したのが髙島泰都。毎年のように新人や若手投手が台頭するオリックス投手陣のなかで、今年期待のニューフェースだ。
高校時代に甲子園を経験しながら、大学は準硬式野球部という異色の経歴。また、端正な顔立ちで、出身チームにちなみ「王子から来た王子様」と話題に。人気面でも大きな注目を集めるかも知れない。
今回は7人の選手を取り上げたが、それ以外でも開幕1軍を勝ち取ったルーキーはいる。また、じっくり調整段階を踏み、シーズン途中から破竹の勢いを見せる新人選手も出てくる可能性は十分にある。新たな選手が続々出てくるほど盛り上がるのがプロ野球の常。今季もルーキーたちの躍動に期待したい。
