開幕に向け現在の心境
「不安というか、なんというんですかね、今年はやるぞという気持ちと、今年どうなるのかなという気持ちがあります」。
ロッテ・中村奨吾は開幕を目前に控え、現在の気持ちについて率直に答えてくれた。
中村奨吾は昨季2年ぶりにセカンドのゴールデングラブ賞を受賞したが、137試合に出場して打率.220、11本塁打、48打点、52四球、出塁率.299と打撃成績は軒並み前年を下回る数字に終わった。
今季に向け、「しっかり下半身を使って強い打球を今年は内野の間であったり、外野の間であったり、しっかり抜けるような打球を打てるように下半身をもう1度鍛え直して、下半身を使って打てるように今(2月4日取材時点で)は取り組んでいます」と話していた。
2月13日から始まった練習試合では、2月23日の楽天との練習試合で1安打2打点、2月24日と2月25日の韓国ロッテとの練習試合は2試合連続マルチ安打をマークするなど、打率.270、3打点。オープン戦が始まってからは、3月9日のソフトバンク戦でレフトポールに直撃する本塁打を放ち、トッポ1000個プレゼントされた。オープン戦の打率は.219だったが、23日の中日戦では2安打した。
練習試合、オープン戦を経て、“下半身を使って強く打つこと”は自身の中でできていたのだろうかーー。
「最近は割といい感じでバッティングができていると思いますし、これをもっともっとレベルを上げていければいいかなと思います」。
開幕に向けて状態が上がってきているようだ。
今季から三塁転向
守備では昨季を含めて3度セカンドでゴールデングラブ賞を受賞していたが、今季からサードにコンバート。
春季キャンプの取材では「まだ難しいところもある」と話していたが、オープン戦を終えて現在は「試合に出て打球を捕る中で、少しずつですけど、慣れてはきている。シーズンが始まったらまた変わってくると思いますし、そこは色々考えながら、感じながらやっていけたらいいなと思います」と明かした。
3月23日の中日とのオープン戦では、0-0の2回に先頭の石川昂弥が放った三塁カメラ席付近に飛んだ打球も怖れることなく好捕を見せた。
今季から挑戦するサードには安田尚憲、上田希由翔などライバルがいる。競争に勝って、今季は昨季の悔しさを晴らす1年にして欲しい。マリーンズファンに向けても「元気にやっている姿を見てもらえればと思います!」と意気込んだ。中村奨吾の10年目のシーズンが間もなく始まるーー。
取材・文=岩下雄太