「今年は10勝くらい勝って欲しい」
中日は30日、敵地でのヤクルト戦に1-1で引き分け。先発した涌井秀章は6.0回を投げて無失点に抑える好投も、中継ぎが崩れ今季初白星はおあずけとなった。
2回までテンポ良く打者6人で片づけて迎えた3回、連打で無死一・二塁のピンチを招くと、ここで迎えた9番・吉村貢司郎との打席中に二塁走者を素早いけん制でアウトにする。
好守備などもあってこの回を無失点に切り抜けると、続く4回にはホセ・オスナから低めのスライダーで空振り三振、さらに続く村上宗隆は変化球で追い込んでから148キロの速球で空振り三振を奪い、プロ野球史上24人目となる通算2000奪三振を達成した。
その後もテンポ良くスコアボードに「0」を刻んでいき、1-0で迎えた7回無死から先頭に安打を浴びたところでこの日はお役御免に。6.0回90球無失点、5安打・3三振・無四球の内容でマウンドを後にした。
勝利投手の権利を持って降板したものの中継ぎが崩れて通算160勝目とはならなかったが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では通算2000奪三振を達成した涌井の投球が話題に。
出演した坂口智隆氏が「本当にピッチャーらしいと言いますか……表情が変わらないんですよね」と現役時代の対戦経験を振り返りつつ良さを語ると、「今日は村上から三振を取った後にグラブをポンッと叩きましたけど、彼の中では最高のガッツポーズなんじゃないですかね」とクールなベテランの胸中を推測した。
また史上10人目の通算2000奪三振を達成した平松政次氏も「調子がいいんでしょうし、内容も良かった」と涌井の投球を称賛し、「まだ200勝まで40勝あるんですけど、今年は10勝くらい勝って欲しいというような内容でしたね」とコメント。2000奪三振の後輩を祝福しつつ、もう1つの偉業達成に向けて期待を寄せて語った。
涌井は西武で2005年からキャリアを歩み始めると、その後ロッテ、楽天と渡り歩き、全てのチームで最多勝を獲得してきた。4球団目となる中日でも最多勝を達成すれば、自身の持つプロ野球記録を自ら更新することになる。髙橋宏斗の2軍調整など先発不足に苦しむチームの為に、今後も涌井は懸命に右腕を振り続ける。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』