セ界屈指の剛腕との投手戦を演出
巨人は31日、本拠地での阪神戦に0-5で敗戦。先発した高橋礼は6回86球無失点の好投も援護に恵まれず、今季初白星はお預けとなった。
巨人移籍後初マウンドを開幕3戦目の先発で迎えた高橋。しかし大役にも動じず、持ち味のアンダースローからテンポ良く速球を投げ込むスタイルを武器に昨季王者・阪神のスコアボードに「0」を刻んでいく。
21年以来となる白星を目指して6回もマウンドに上がると、ここでも先頭の近本光司を二ゴロ、続く中野拓夢も二ゴロ、そして森下翔太は三ゴロに打ち取り上位打線を全く寄せ付けず。結局この日はここでお役御免となり、6回86球無失点、1安打・1三振・2四球の内容でベンチにさがった。
しかし巨人も才木浩人の前に打線が沈黙すると、0-0の8回にマウンドに上がった中川皓太が痛恨の先制本塁打を浴びこれが決勝点に。合計6安打に5四球選ぶなど走者は出したもののあと一本が出ず、開幕3連勝とはいかなかった。
久々の先発マウンドで息詰まる投手戦を演出した高橋について、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で番組MCを務めた岩本勉氏は「高低差をうまく使い、彼も今シーズンの見込みを自分で感じたんじゃないかと思いますね」と称賛。
また続けてその投球スタイルを「高橋礼というピッチャーは緩急よりも真っすぐで打ち取る、力で押して詰まらせる」とアンダースローらしからぬパワーにあると解説すると、同じく出演した仁志敏久氏は「才木は低めを、高橋は高めを使いたがっていた」とこの日の傾向を分析。
球審の判定が厳しく互いに苦労していたと語りつつ、「打ちに行くとインコースに食い込まれる、打てそうだと思ったら高めのボール球だったりと真っすぐをうまく使っていた」と勝負勘に熱視線を送っていた。
高橋は大卒2年目に12勝を挙げて新人王を獲得するも、その後は思うような結果を残せず、一軍と二軍を行き来しながら様々なポジションを転々としていた。くすぶりかけていたかつての変則エースは、新生巨人軍で再びかつての輝きを取り戻せるか。今後も高橋の投球に注目していきたい。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』