藤井から粘って11球目に四球
ロッテ・友杉篤輝はプロ2年目の今季、公式戦9試合を終えた段階とはいえ、間違いなく昨季からの成長を感じさせる。
「まずは強く練習からしっかり振っているんですけど、試合の中でも100%以上の力で振って、昨年は全然四球が取れなかったので、出塁率を意識ながら、両方意識しながらやっています」と今季に向け、“強く振ること”、“出塁率を高めること”を掲げ、取り組んできた。
昨季は209打席立って9四球、今季も21打席で1四球だが、その“1四球”の内容が非常に良かった。4月3日のソフトバンク戦、1-1の8回無死走者なしの第3打席、藤井皓哉に対して簡単に2球で追い込まれるも、そこからファウルで粘り、ボール球はきっちり見極め11球目の外角低めの153キロストレートを見送り四球を選び先頭打者の役割を果たした。友杉は「あの打席はすごい先頭で絶対に出ないといけないので良かったと思います」と振り返った。
今季はファウルで粘ったりしている打席が昨年に比べて増えているようにも見えるが、本人は「僕の中ではあの打席くらいしか粘っている打席はないので、まだまだかなと思います」と、納得いっていない。
左投手の打率は.500
左投手に対しても昨季は打率.196だったが、今季はここまで打率.500(6-3)。昨年の秋季練習から「左ピッチャーに対してすごい課題が残ったので、左ピッチャーを打っていたんですけど、色々打ち方を試しながら、やっていけたらなと思います」と課題克服に励み、オープン戦期間中の取材では「左ピッチャーも打ち方を変えて今やっているんですけど、なかなか結果が出ていないですが、何か掴めて行けたらいいかなと思います」と試行錯誤していた。
開幕してからは7日のオリックス戦で、左の曽谷龍平から2安打。1-2の4回無死二塁の第2打席では、曽谷が投じた2ボールからの3球目の外角寄りのストレートを「思い切っていってこいと送りだしてもらったので、積極的に行くことが出来ました」と、逆らわずにライトへ適時二塁打。
吉井理人監督も試合後、左投手から安打を放った友杉について「左は苦手にしているかなと思ったんですけど、そこもうまく打っているので、茶谷にいいライバルになっていると思います」と評価した。
「まだまだこれから上げていかないと」
現在打率.400、打席に立った試合は6試合全てで安打を放っている。
打撃の状態について「打率以上には良くはないと思います。まだまだこれから上げていかないといけないと思います」とのこと。「いい打席と悪い打席がすごいはっきりしているので、悪い打席の内容をもっと詰めていけたらなと思います」と反省する。
悪い打席内容について「まずしっかり振れずにパンパンと追い込まれたり、そこから変化球で崩されたりする打席が多いので、まずはファーストストライクから積極的に振れたらなと思います」と教えてくれた。
ショートのレギュラー獲得に期待がかかる中で、友杉は今後に向けて、「打率的には打てているんですけど、出塁率をこだわりながら、打率を落とさないようにやっていけたらなと思います」と誓った。茶谷とポジションを争っているが、このまま好調をキープし、昨季苦手だった左投手を打つことができれば、レギュラー獲得も見えてくる。
取材・文=岩下雄太