「ベイスターズで優勝したい」
“横浜に輝く大砲"・筒香嘉智が、再び横浜スタジアムに帰還した。
18日にファン約9600名を集めて行われた再入団会見に姿を表した筒香は「本日はお集まりいただき本当に感謝してます。またこの横浜スタジアムで野球ができる喜びを噛みしめています」と第一声。続けて「正直かなり鳥肌立っています」と素直な心境を吐露した。
日本復帰には「僕は常に野球が上手くなる方というのが自分の頭の中にあり、選択をしてきたつもりでいます。アメリカのサンフランシスコ・ジャイアンツを退団になり、どうなるかわからない状況が続いた中で、正直日本に復帰するというモチベーションが今1つ上がらなかったのが事実であります」と葛藤もあったと告白。そのうえで「毎日練習している時間の中で色々考えていく中で、やはりベイスターズで優勝したい、優勝するという想いが、日本でプレーをするモチベーションとなりました」と古巣への気持ちが決断への切り札となったと明かした。
また「アメリカに2020年から行った時から、毎年本当に僕の心を動かされるような言葉を南場(智子)オーナーにかけていただき、本当に感謝しています。そのオーナーが目標に掲げている横浜で優勝というものに、一つのピースとして精一杯頑張りたいと思います」ともうひとつの理由も明らかにした。
アメリカでの時間は「僕のかけがえのない財産になることは間違いないと思ってます」としながらも「過去を振り返ってる時間もないですし、ご覧の皆さんご覧の通り、アメリカでの成績というのは満足できるものではなかったですが、プロ野球選手というのは結果で評価されるのは当たり前のことですし、結果が出なかった原因と今も向き合ってます。今後も野球がもっとうまくなるために向き合い続けていきますが、 過去のことに振り返ってる時間もないですので、今はベイスターズのために必死に頑張ることだけです」と決意表明。「あとは勝負の世界にポジションどうぞというようなものはないと思ってますので、このアメリカでプレーした4年間、それ以前のベイスターズでの10年間、そしてこれからも変わらず自分のパフォーマンスで、ポジションを取りに行くだけだと思ってます」とチーム内の競争を勝ち抜いていくと宣言した。
サプライズで監督も登場
またともに戦った三浦大輔監督とはジャイアンツを退団になったときに「15秒ぐらい」話したと笑うと、なんと本人がサプライズで登場。「おかえり」と短い挨拶を交わしたのち「やはり横浜スタジアムは似合う男だなと思います」と本人に伝えると「三浦さん以上に横浜スタジアムが似合う男になれるように頑張ります」と切り返し、息の合ったところも披露し「筒香が帰ってきてくれて、まだまだシーズン中なんでね、また大きな柱となって、チームの起爆剤となって突っ走ってもらいたいと思います」と大きな期待をかけていた。
会見後の取材に応じた筒香は「ほんとに声援を聞いて、またこの横浜スタジアムでプレイできるということが本当に幸せなことだなと改めて思いました」とファンに感謝。また「僕が入団した時は、ほんとにスタンドの空席が目立つような状態で入団して、最初プレーしてました。 その中でもちろん球団の努力というものもあり、僕がアメリカに行く頃には毎試合 満員の状態でこの横浜スタジアムでプレーできてました。その中でまたプレーできるというのは、選手というのは非常に幸せなんじゃないかなと思っています」と一軍でのプレーを心待ちにしていた。
会見、取材を通じて「ポジションをプレイヤーとして取りに行く。それだけです」と何度も繰り返した筒香嘉智。その漲る闘志で、横浜の街ごと熱くしていく。
取材・写真・文 / 萩原孝弘