「立ち上がりからそうだったんですけど……」
日本ハムは23日、本拠地でのオリックス戦に3-9で敗戦。12安打を放つ猛攻も序盤の大量失点が響き、同一カード3連勝を逃してしまった。
この日の先発は上原健太。4月7日以来に先発マウンドを任された左腕は、過去2登板と同じく田宮裕涼とバッテリーを組んでマウンドに上がるも、初回から四球に5安打を浴びて3点を献上する苦しい立ち上がりとなってしまう。
なんとか立て直したい上原だったが、続く2回も一死から二塁打、四球、安打で満塁とされると森友哉に2打席連続で適時打を許し、ベンチはここで交代を決断。今季最短の1.1回でKOされ、後続の鈴木健矢も犠打と適時打を打たれた事で自責点も今季ワーストの6失点の内容だった。
その後は味方打線の奮起もむなしく敗れた日本ハムだったが、同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に出演した大矢明彦氏は「もう少しうまく引っ張ってやればなと」とバッテリーを組んだ田宮に苦言を呈した。
続けてこの試合で田宮が見せたリードを「立ち上がりからそうだったんですけど、緩急がうまく使えなかった」と総評すると、「ストレートがね、上原は147、8キロまで出せるんですけど、最初は緩い球で打たせに行っちゃって、ボールになってピンチを広げて。ストライクを取りに行って打たれる」と解説。
また上原の被安打8本のうち「追い込んでからのヒットが5本あった」と語り、カウントの整え方のみならず勝負球のチョイスにも改善の余地があるとの見立てを提示した。
高卒6年目の田宮は今季初の開幕一軍にスタメンを勝ち取ると、ここまで打率.321(112-36)の数字を残していた。シュアな打撃に強肩、さらに4盗塁を決めるなど走力も兼ね備えた若手捕手として奮闘していたが、ダイヤモンドグラブ賞を6度受賞した往年の名捕手からすればまだまだ発展途上なのかもしれない。
大矢氏は最後に「もう少しうまくインサイドの速い球を使うとかね、遅い球を最初から見せず速いのから入って緩くしていくというような工夫をしていってもらいたかったっていうのが今日は1番感じた事でしたね」と田宮にさらなる成長をうながして締めくくった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』