高木氏は「策はなかったのか」とため息、真中氏は「結果論になってしまう」と反論…この場面の正解とは?
敵地で連勝し波に乗るセ・リーグ4位の中日と、本拠地で3連勝し勢いをつけたパ・リーグ首位のソフトバンクのカード初戦は、2-2の同点で終盤の攻防へと突入。中日は8回、一死から2番岡林勇希が四球で出塁。続く3番福永裕基が中飛に倒れ二死一塁となり、4番細川成也の打席を迎える。カウント1-2となった4球目で岡林が二盗に成功。しかし二死二塁と一打勝ち越しの場面で細川が空振り三振に抑えられ、得点とはならなかった。
直後の9回、ソフトバンクも一死から1番緒方理貢が四球で出塁。2番今宮健太が犠打の構えをする中、カウント1-0の2球目で緒方がプロ初となる二盗に成功した。今宮は空振り三振に倒れ二死二塁となるも、3番栗原陵矢が勝負を決める勝ち越し打を放ち、ソフトバンクが3-2で勝利を収めた。
両軍ともに「一死一塁」の場面を終盤に作ったが、中日は無得点に終わりソフトバンクは勝ち越しに成功。この差はなぜ生まれたのか、4日放送のフジテレビONE『プロ野球ニュース2024』では激論が交わされた。
高木豊氏は「中日の試合を見ると、ずっと1点差でため息が出る」と切り出し「4番細川が後ろにいる中で、3番福永を自由に打たせた。この場面はどうすれば良かったのか」と真中満氏に問いかけた。真中氏は「福永は打たせて良かったと思う。岡林がスタートを切れるなら切れば良かったし、無死なら犠打させるだろうが、一死では犠打を決めても二死二塁で細川一人だけなので、僕なら普通に打たせる」と立浪監督の采配を支持した。
斎藤雅樹氏が「福永が強打者の3番というならまだ分かるが、一つでも先の塁に進めるということも考えて、二死になるけど犠打でも良かったのでは」と反対意見を述べると、高木氏も「3番福永に自由に打たせたのは驚いた。何か仕掛けるかと思った」と疑問を呈し「しかも岡林を走らせたのは、4番細川の打席の4球目。ということは一塁が空いたので、細川の頭の中で配球が途中で変わってしまった。ボール球で誘ってくるなど考えてしまい、最後内角高めの直球を完全に振り遅れ、空振り三振となった。こうなる前に策はなかったのかな」と分析した。
一方で得点を挙げたソフトバンクに対して、高木氏は「今宮がずっと犠打の構えで緒方が走るのを待ち、緒方は2球目で走った。そうすると打者はそこからの組み立てで配球を考えられる」と示唆。しかし真中氏は「二死二塁と同じ場面で、最後にお互い打ったか打たなかったかの差ではないか。打てば成功だし、打たなかったらその作戦が失敗だったという結果論になってしまう」と反論した。
斎藤氏が「細川と栗原が打席に入ったときに二塁に走者がいるか、まだ一塁にいたかの違いだ」と言及すると、高木氏は「早く走れたソフトバンク、走るのに少し躊躇した中日。そこに差が出たかな」と結論付けた。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』