投手陣の奮闘実らず接戦を落とす
昨日の勢いそのままに、先頭打者ホームランと最高のスタートを切ったが、得点できたのはその1点のみ。投手陣の奮闘実らず、1点差でゲームを落とした。
先発のアンドレ・ジャクソンは初回の味方のエラーをカバーし、無失点で切り抜けると、その裏にはオリックス先発の田嶋大樹から蝦名達夫が先頭打者ホームランで先制。その後ジャクソンは力のあるストレートを軸に、オリックス打線にホームを踏ませぬ力投を見せたが、5回ツーアウトから詰まった当たりで出塁されると、太田椋に痛恨の2ランを被弾し逆転を許す。
その後はオリックスの小刻みなリレーの前に得点できず、1点差で惜敗を喫した。
結果的には初回のホームラン後のヒットで無死1塁の好機を活かせず、2回から4回までノーアウトで出塁しながらも得点できなかったことが、敗戦の大きな要因となった。
試合後三浦監督は「2点目が遠かった」と第一声。「もちろんアウトになろうと思ってるわけじゃないですから、なんとかしようっていう中で、結果にはつながらなかったということだと思います」と続け、ベンチ外とした筒香嘉智には昨日のデッドボールの治療をしていることは明かしつつ「そういうこともあります。上がりのピッチャーがいるのと一緒です」と語った。
敗戦の中でも、先発のジャクソンには「良かったと思います。ボールの走りもそうですし、ランナー出た後もね、しっかりとケアしながら投球できていたと思います」と高評価。この日は1四球とファームに落ちる前の制球難も克服し「上がってきてからはストライク先行で、カウントの取り方も、ファウルでもストライクを先行させてますしね。ボール自体も全体的にゾーンが下がってきたかなっていうところで。良くなってると思います」と低めの制球が好投の要因としていた。
またイニングをまたいでの無失点ピッチングを披露した中川虎大には「やっぱりそのストライク先行ができてるからこそ、フォークも生きてきてると思います。こういう展開で2イニング行ってくれたっていうのは非常に大きかったですし、今後につながります」とし、昇格してから立て続けに初ホールドに初勝利と結果もついてきたことに「本人の表情も明るかったですし、それでもちろん満足してるわけじゃないですけど、なにか1つ、いいきっかけになっているんじゃないかなと思います」と新戦力の台頭にも手応えを口にした。
この日は守備でも蝦名達夫や森敬斗らに好プレーが続出。また9回二死からは牧秀悟の全力疾走で内野安打をもぎ取ると、代走の林琢真が盗塁を決めるなど諦めないプレーも散見され「本当にみんな必死にやりながら、やってきたこと、日々取り組んでることを試合で出そう出そうとしています。試合に出てる出てない関係なく、準備力っていうのはチーム全体として上がってきてるかなと思います」と方向性は間違っていないと言い切った。その上で「もっともっと上げていかないといけないんです。それを結果につなげていかないといけないです」と自戒を込めて言葉に力を込めた。
連勝を目論みながら結果をつかめなかった三浦ベイスターズ。しかしチームの力は着実に上がっている。
取材・文=萩原孝弘