「ストッパーで行く場合は……」
ヤクルトは30日、本拠地での阪神戦に6-5で勝利。連勝でカード勝ち越しを決め、4位とのゲーム差を「3」にまで縮めた。
中盤に小刻みに点を奪われ一時は4点差まで広げられたものの、8回に村上宗隆、長岡秀樹、山田哲人から適時打が飛び出し一気に逆転したこの日のヤクルト。ビハインドから一転リードした状態で、9回のマウンドには守護神の田口麗斗ではなく大西広樹が上がった。
大西は先頭に安打を許すものの、無死一塁からこの日本塁打を含む2打点を挙げていた大山悠輔を直球でねじ伏せ注文通りの遊併殺に仕留める。このタイミングで高津監督は大西から田口に投手交代を告げ、前川右京、佐藤輝明ら左打者が並ぶ打順で左投手の田口をぶつけに行った。
その後はあわやサヨナラまでもつれたものの、最後は並木秀尊と長岡の連携で走者植田海を刺し辛勝したヤクルト。同日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』では、大逆転を起こした打者陣の奮闘もさることながら、9回の投手リレーにも話題が及んだ。
守護神の田口ではなくあえて大西をマウンドに送り込んだ理由として、出演した大矢明彦氏は「やはり右バッターが2人いいたから」としつつも、続けて「正直言ってこれは言い訳なんですよね」と左右の相性を加味した上での采配ではなかったと解説。
「ストッパーで行く場合は、もう右左関係無しに出すのが普通なんですけど、田口が今年まだそんなに状態が良く無いんですよね。2アウトの後、左バッターの所で来ましたけど、スライダーが全くストライクに入らずに苦しい(投球だった)」とし、守護神・田口の現状を「まだマウンドを捌けていない」とコメントした。
ヤクルトの守護神として今季もフル稼働が期待された田口だが、今季は故障の影響などでここまで15試合登板で防御率2.08、3ホールド、7セーブの数字に収まっている。
数字を見ると、1軍に帯同していれば安定した投球を続けているようにも読み取れるが、やはり本来の状態と比較するとまだ改善の余地が残されているのかもしれない。
大矢氏は最後に「今日みたいな選手がひっくり返してくれたゲームは、監督はやはりベストなピッチャーを投入して逃げ切る事の方が大事だと思いました」とし、田口の状態次第では9回に様々な投手を起用する方針に理解を示して締めくくった。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』