球速差の投球術で白星を手にした左腕を称賛
阪神が広島に競り勝ち。首位広島相手に連勝を飾り、ゲーム差も2まで縮めることに成功した。この日も勝利の立役者は、言わずと知れた“鯉キラー”大竹耕太郎のピッチングだった。
初回から4回二死までパーフェクトピッチングで広島打線を封じ込めていたが、菊池涼介の放ったサードゴロを佐藤輝明が弾き、さらにファースト悪送球で予期せぬピンチを迎える。すると続く矢野雅哉がライトへ三塁打でたちまち同点に追いつかれてしまったが、エラーした佐藤輝明が6回にこの日2本目のソロで勝ち越すと、その後は再び持ち直しに成功。7回を1失点自責0で今季5勝目を手に入れた。
昨年から10戦8勝と“鯉キラー”の左腕に対し、3日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』で解説を務めた五十嵐亮太氏は「完全にゲームを支配してたと思います」と言い切った。
具体的には「足を上げてから速いボール、遅いボールと、その緩急のバリエーションが広いんですよ。で、彼の場合、その緩急を使うときにどういったバッティングになるだろうなって全て計算されてるし、バッター心理もわかってるんですよ。緩いボールってなかなか勇気がいるんですけど、ランナー三塁でこのボール投げられないですよ。さらにその時のボールはストライク。今回は手出してくるだろうなと思ったら外のボール球で、見事にボール球を振らせているんですよ。そのあとは打ってみなさいよってまた甘いところに投げるじゃないですか。完全にバッター心理を操っているので、これはバッターも悔しくないですか。全部計算されているので」と持ち前の投球術を絶賛した。
もうひとりの解説の谷沢健一氏も「普通のスローボールは100キロ台。70キロ台を打つには3回ぐらい奥歯を噛み締めないと打てないです」とこの日最も遅かった72キロのボールに脱帽していた。
球速差71キロと異次元の緩急を使って鯉打線を翻弄した左腕。次回も淡々と鯉料理するのかにも注目だ。
☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』