ドジャース・大谷翔平

◆ 3試合ぶりのノーヒットで首位打者から陥落

 打撃好調のドジャース・大谷翔平が3試合ぶりのノーヒットに抑え込まれた。

 現地4日(日本時間5日)に本拠地ドジャースタジアムで行われたダイヤモンドバックスとの3連戦最終戦は、ドジャースが3-9でダイヤモンドバックスに完敗。6月12~13日以来、約3週間ぶりとなる連敗を喫した。

 1番指名打者で出場した大谷は、初回の第1打席こそ四球で出塁したものの、その後は3三振。結局、この日は3打数無安打で、打率を.319から.316に下げ、首位打者から陥落してしまった。

 5日からは、ナ・リーグ中地区で首位を走るブリュワーズとの3連戦が待っている。通算成績が12打数5安打(打率.417)、1本塁打と、大谷にとって相性がいい相手だけに、巻き返す可能性は高いだろう。

 思い起こせば、1か月ほど前の大谷はスランプ状態に陥っていた。5月上旬に一時.370を突破した打率は、6月15日に.305まで悪化。ナ・リーグの“MVP争い”でも、同僚ムーキー・ベッツに次ぐ2位という評価を受けていた。

 ところがそのベッツが6月16日のロイヤルズ戦で死球を受けて左手甲を骨折。無念の戦線離脱となったわけだが、これを発奮材料にしたのが他でもない大谷だった。

 ベッツが死球を受けたまさにその試合で2本塁打を放ち、チームを勝利に導いた大谷は、翌日からベッツに代わって1番に定着。その後の驚異的な打棒爆発は説明不要だろう。

 6月16日以降の成績は、16試合で打率.367、10本塁打、20打点。ホームランキング争いで、2位に5本差をつけ独走態勢に入ったようにも見えるほどだ。

 そこで、大谷の打撃が復調したカギを探ってみると、ある事実が浮かび上がった。それがボール球に手を出す確率が激減したことだ。

 ベッツが死球を受ける前日の6月15日まで、今季の大谷はO-Swing%(ボールゾーンのスイング率)が28.0%と、悪球打ちがやや目立っていた(数値は全て米データサイト「FanGraphs」を参照)。ところが翌16日以降は、これが17.7%に良化。1番打者としてより出塁に意識が傾いたのかもしれない。

 ボール球に手を出さなくなったことで、必然的に打者有利のカウントで打つことも増え、これが本塁打量産の一因にもなっているはずだ。

 ただ、7打数1安打4三振に終わった直近2試合で、やや危険な兆候も出始めている。この2試合のO-Swing%は29.2%で、ボールゾーンに手が出る場面も目立っていた

 たった2試合の数字なので、偶然の一言で片づけられる可能性もあるが、週末の試合でも続くようなら、再びスランプに陥る可能性もありそう。大谷とすれば、なるべく早く嫌な流れは断っておきたいところだろう。逆に、難なくこれを乗り越えることがきれば、三冠王も見えてくる。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県出身。大学卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。日本にファンタジーベースボールを流行らせたいという構想を持ち続けている。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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