ドジャース・大谷翔平(写真=GettyImages)

◆ 得点圏打率は.220

 現地29日(日本時間30日)、オリオールズとの3連戦最終戦に臨んだドジャースは、6-3で勝利。今季成績を80勝54敗(勝率.597)として、メジャー最高勝率を守った。

 ドジャースは、これで今月16~18日のカージナルス戦から4カード連続で勝ち越しに成功。30日から始まる同地区ダイヤモンドバックスとの4連戦に向けて弾みをつけた形だ。

 この日のドジャースは打線が絶好調だった。一発こそ出なかったが、先発した9人中8人が合計14安打の猛攻。得点圏に走者を置いた場面では、13打数5安打と、ここ一番の勝負強さも見せた。

 そんな中、先発メンバーで唯一、バットから快音が聞かれなかったのが、1番指名打者(DH)で出場した大谷翔平だ。

「40本塁打&40盗塁」を史上最速で達成し、前人未到の「50-50」も視野に入る大谷は、第1打席から、中直、見三振、中飛、中飛、左飛と5打席すべて凡退。自身3試合ぶりとなる無安打に終わり、打率を.295から.292に下げた。

 4回裏に回ってきた第3打席は、リードを3点に広げた直後の無死二塁という試合の行方を左右する大事な場面。低めのボールゾーンに投じられた2球目を捉えたが、高く舞い上がった打球は中堅手のグラブに収まった。

 結果的に、この試合で大谷が得点圏で打席に立ったのは1打席だけ。これで8月に入ってからの得点圏打率は.100(20打数2安打)ちょうどで、2本の安打はどちらも本塁打とはいえ、チャンスでことごとく凡打に倒れている。まるでシーズン序盤のデジャヴともいえなくはない。

 今季の大谷を改めて振り返ると、春先も得点圏でなかなか効果的な安打が出ず、“チャンスに弱い大谷”という見出しが何度も躍った。

 実際に3~4月の大谷の得点圏打率は.184(38打数7安打)と低調。5月に打率.381(21打数8安打)と盛り返したものの、6月以降は.182(22打数4安打)、.294(17打数5安打)、そして今月の.100と月ごとに得点圏打率は“乱高下”している。

 ちなみに今季通算で見ると、得点圏打率は.220に留まっており、春先に張られたレッテルを剥がせずにいる状況だ。

 一般的に得点圏打率は“意味がない”ともいわれるが、これだけ分かりやすい月ごとのアップダウンも珍しい。8月はまだ2試合を残しているが、大谷のこの傾向が続くようなら、ヒリヒリする9月は再びチャンスの場面で走者を返すシーンも多くみられるはずだ。ただ、ほぼ100%手中に収めている肝心のポストシーズンは10月に開幕する。

 エンゼルス時代には縁がなかった“オクトーバー・ベースボール”で大谷は乱高下の波を右肩上がりに変えられるか。まずは残り1か月のレギュラーシーズンで結果を残し、チームを勢いづかせてポストシーズンに突入したいところだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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