巨人が阪神に完封勝ち。首位攻防戦を制し、優勝へ向けまた一歩前進した。

　巨人先発のグリフィンと阪神先発の髙橋遥人の力投もあり、両軍ホームを踏めぬ緊張感のある首位攻防戦。その中で決勝の一打を放ったのはベテラン・坂本勇人だった。

　両軍無得点の7回、巨人打線は吉川尚輝と岡本和真の連打で無死一・三塁のチャンスを作ると、大城卓三に代わって代打で起用された坂本勇人は、外のボールをライトへ運ぶタイムリーで遂に均衡を破った。後を継いだ巨人のブルペン陣も無失点リレーを継続し、1－0と僅差のゲームをモノにした。

　ヒーローインタビューで「昨日打てなくて負けてしまったんで、今日また代打でああいう場面で回してくれたチームメイトに、すごい感謝の気持ちを持ちながら打席に立ちました。若手とベテラン、チーム一丸となって優勝します」と宣言した坂本に対し、23日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』に解説として出演した大矢明彦氏は「今日、相手の先発ピッチャーが左の髙橋。なのに、ファーストに大城を使ってサード岡本で、坂本はベンチ。そしてこのノーアウト1塁3塁の場面。僕はね、阿部監督が坂本のプライドを突っついたと思うんですよね。『お前行ってこいよって。ここでもうお前の力出してくれって』いうような使い方だった」と監督の起用法の源を推測。

　さらに「それからノーアウト1塁3塁で、坂本のツーストライク目のスイングがものすごく抜かれたスイングだったんです。これで守備位置を見たら、セカンドは後ろで前進はしてない、三振をしないで向こうに打てば内野ゴロでも1点取れるというね、そういう読みもあったんですよね。だからアウトコースのボールを軽打できた。この辺がやはりベテランの読みと技。これがこの1点を生んだと思いますね」と経験からのケースバッティングを評価した。

　もう一人の解説者の平松政次氏はノーステップでの一打に「やっぱりタイミングを絶対合わせたいというところで。ステップを大きく取ると間が取れませんのでね。これなんかもう、ヒットを打つため、なんとか内野ゴロを転がすバッティングっていうのは、やっぱりベテランの味ですよね」と大矢氏同様、経験のなせる技だと頷いた。

　状況に合わせ、最適解を導き出した坂本のバッティング。ベテランの経験値は阿部巨人の大切な財産になっている。


☆協力：フジテレビONE『プロ野球ニュース2024』