マリナーズナイン(写真=GettyImages)

◆ 叶わなかった打倒アストロズ

 ポストシーズン進出に一縷の望みをかけていたマリナーズの2024年シーズンは、移動日の26日(日本時間27日)に終わりを告げた。

 マリナーズといえば、イチロー氏を筆頭に佐々木主浩氏や長谷川滋利氏ら多くの日本人選手がかつて所属し、日本にもファンが多いことで知られる。イチロー氏がメジャーデビューを果たした2001年には両リーグで断然トップの116勝を挙げたこともあった。

 ところが、マリナーズの地区優勝はその2001年が最後。その後は長い低迷期に突入し、地区ライバルたちの地区優勝を見届けてきた。

 そんなマリナーズがようやく復調の兆しを見せたのは2021年だった。3年ぶりとなるシーズン勝ち越しを収めると、翌22年にはワイルドカード争いを制して、2001年以来、21年ぶりとなるポストシーズン進出を決めた。

 昨季もポストシーズン進出こそ逃したものの、84勝78敗の成績で3年連続勝ち越しに成功。今季は23年ぶりの地区優勝を目標に開幕を迎えた。

 すると、大本命のライバル・アストロズが開幕ダッシュに失敗。昨季のワールドチャンピオン・レンジャーズも5月中旬以降に失速し、気づけばマリナーズが5月12日から地区首位を快走。一時は2位に10ゲーム差をつけるまさかの展開に、ファンの夢も膨らみかけていたが……。

 6月下旬からマリナーズの負けが込み始めると、アストロズの猛追も相まって、両者の差は一気に凝縮。8月上旬までは一進一退の攻防が続いたが、その後、アストロズが抜け出すと、今月24日の直接対決でアストロズが粘るマリナーズを振り切って地区4連覇を飾った。

 地区制覇を逃したマリナーズは、ワイルドカードでのポストシーズン進出に一縷の望みをかけて、25日のアストロズ戦に勝利。27日からのアスレチックス3連戦でミラクルといきたかったが、移動日の26日にワイルドカードを争うロイヤルズとタイガースがそれぞれ勝利したことで、マリナーズのポストシーズン進出の夢はついえた。

 ポストシーズンも逃したマリナーズは、もちろんリーグ制覇の可能性も消滅。既存の30球団で唯一、“ワールドシリーズ未経験”という不名誉な記録も継続することになった。

 それでもチームはすでに4年連続勝ち越しを確定させており、来季に向けたチーム編成に着手していくことになるだろう。最後までアストロズに食らいついた経験も生かさなければなるまい。

 今季は叶わなかった打倒アストロズ、そして初のワールドシリーズへ向けて、失意のなか迎えるアスレチックスとの残り3試合も決して無駄にはできない。マリナーズファンが歓喜に沸く日はいつ訪れるのか。マリナーズのオフの動きにも要注目だ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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