「自分自身1年生、2年生の時になかなか試合に出ることができなかったんですけど、3年生からこれまで以上にウエイト、食事の面、バットを振る回数を倍増させて、トレーニングの成果が結果についてきました。そこはプロに入ってからもしっかりやっていきたいと思います」。
ロッテからドラフト1位指名を受けた西川史礁(青山学院大)は、大学4年間で意識して取り組んだことについてこのように語った。
龍谷大平安高校時代には2年春の選抜大会に出場し、高校卒業後は青山学院大に進学。青山学院では2年生まで、冒頭に述べたように春と秋のリーグ戦の出場試合数はあわせて11試合だったが、ウエイトトレーニング、バットの振る量を増やした3年春以降はレギュラーに定着。3年春季リーグ戦で打率.364、3本塁打、10打点の活躍で最高殊勲選手賞、ベストナインに輝いた。
今年3月に行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024日本vs欧州代表」には大学生ながら、日本代表に選出され、3月6日の欧州代表戦でトップチームデビュー。同試合で、西川は5回一死走者なしから四球を選んだ塩見泰隆(ヤクルト)の代走で出場。続く小園海斗(広島)のセンター前安打で二塁へ進むと、近藤健介(ソフトバンク)のライトへのあたりで生還。さらに、4-0の6回二死一、二塁のこの日の第1打席、ファンガープの初球を捉え、三塁線を破る適時二塁打を放つなど存在感を見せた。
「本当に日本を代表する選手の中で入れて、1人1人の野球に対する考え方であったり、しっかりと聞いて学んだことは大学生活で結びつけてきた。たとえば、近藤選手であればウエイト、試合で疲れても毎日やったりとか、2ストライクから追い込まれてからどういうイメージで打っているとかというのは聞きました」。
4年春のリーグ戦では打率.318、1本塁打、7打点で2度目の最高殊勲選手賞、ベストナインに選出されるなど、この4年間でドラフトの目玉選手に成長し、ロッテ、オリックスの2球団から1位指名を受け、ロッテが交渉権を獲得した。
「自分はバッティングが1番の持ち味で、その中で長打も打てますし、単打も2ストライクに追い込まれてからも器用に打つことができるバッティングが1番の持ち味だと思っています」。
最大の魅力はバッティングだ。本人が“2ストライクに追い込まれてから器用に打つことができる”と話すように、大学時代の映像を見ると、追い込まれてからノーステップ気味に打ちセンターから逆方向に意識して打撃しているように見えた。
本人に確認すると、「そうですね。場面に応じてしたりしなかったりはあるんですけど、そこは選択肢の一つとして自分の中で持っています」と、バットを強く振るだけでなく、状況に応じて“いろんな打撃”ができるのも強みだ。
西川は外野手だが、ロッテの外野陣は今季103試合に出場して打率.287、7本塁打、33打点の成績を残した岡大海、7月度の月間MVPに輝いた髙部瑛斗、夏場以降ライトのレギュラーとして出場し打率.290をマークした藤原恭大、ベテランの荻野貴司と角中勝也、代走のスペシャリスト・和田康士朗、守備力が高い愛斗、今季は悔しい結果に終わったが、同じ右打ちの石川慎吾に山口航輝、ファームで本塁打と打点の二冠王の山本大斗と、競争は熾烈だ。ただ、今季は時期によって出場している外野手の顔ぶれが変わっており、新人の西川にも十分にチャンスはある。
西川は熾烈な外野の競争を勝ち抜くために「勝負強いバッティング、ここ一番で打てる、チームを助けられる力を身につけないといけないと思うので、プロ野球のピッチャーになるとレベルが上がりますし、そこに対応していかないと絶対に出られないと思うので、そこは一番に考えています」と話した。
マリーンズには大学ジャパンで一緒に戦った上田希由翔がいる。入団が決まった後も、上田とは連絡をとったそうで、「ジャパンの時は希由翔さんと自分が4番打者を打たせていただいて、希由翔さんが後ろでいたので打席に入る前とか、普段の生活もそうですけど、優しくしていただいたので楽しみです」と、プロの舞台でチームメイトとしてプレーすることを楽しみにしている。
プロに入ってから競争が始まるが、大学時代からの知っている先輩もおり、熱いマリーンズファンもいる。マリーンズの応援には「すごく楽しみです」と、心待ちにしている。
プロ1年目の目標は「開幕スタメンを取りに行くという強い気持ちでやっていくのと、しっかりとシーズン通して出られるように、新人王を目指してやっていきたい」と掲げる。榎康弘アマスカウトディレクターは「球団としては走攻守三拍子揃った強打者で1年目から戦力になってもらうことはもちろん将来的にはマリーンズ、日本を代表する選手になってくれると期待しています」と期待を寄せる。
その期待を表すように背番号は3度の三冠王に輝いた落合博満氏、ZOZOマリンスタジアムに本拠地移転後日本人選手ではシーズン最多の25本塁打を放った初芝清氏、青山学院大の先輩である井口資仁氏が現役時代、監督時代に背負った“6”を着ける。歴代の右の長距離砲が着けてきた6番が似合う男になって欲しい。
▼ 西川史礁
生年月日:2003年3月25日生
守備位置:外野手
身長 / 体重:182センチ / 88キロ
投 / 打:右 / 右
経歴:龍谷大平安高-青山学院大-ロッテ(ドラフト1位)
取材・文=岩下雄太
ロッテからドラフト1位指名を受けた西川史礁(青山学院大)は、大学4年間で意識して取り組んだことについてこのように語った。
龍谷大平安高校時代には2年春の選抜大会に出場し、高校卒業後は青山学院大に進学。青山学院では2年生まで、冒頭に述べたように春と秋のリーグ戦の出場試合数はあわせて11試合だったが、ウエイトトレーニング、バットの振る量を増やした3年春以降はレギュラーに定着。3年春季リーグ戦で打率.364、3本塁打、10打点の活躍で最高殊勲選手賞、ベストナインに輝いた。
今年3月に行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024日本vs欧州代表」には大学生ながら、日本代表に選出され、3月6日の欧州代表戦でトップチームデビュー。同試合で、西川は5回一死走者なしから四球を選んだ塩見泰隆(ヤクルト)の代走で出場。続く小園海斗(広島)のセンター前安打で二塁へ進むと、近藤健介(ソフトバンク)のライトへのあたりで生還。さらに、4-0の6回二死一、二塁のこの日の第1打席、ファンガープの初球を捉え、三塁線を破る適時二塁打を放つなど存在感を見せた。
「本当に日本を代表する選手の中で入れて、1人1人の野球に対する考え方であったり、しっかりと聞いて学んだことは大学生活で結びつけてきた。たとえば、近藤選手であればウエイト、試合で疲れても毎日やったりとか、2ストライクから追い込まれてからどういうイメージで打っているとかというのは聞きました」。
4年春のリーグ戦では打率.318、1本塁打、7打点で2度目の最高殊勲選手賞、ベストナインに選出されるなど、この4年間でドラフトの目玉選手に成長し、ロッテ、オリックスの2球団から1位指名を受け、ロッテが交渉権を獲得した。
バッティングが持ち味
「自分はバッティングが1番の持ち味で、その中で長打も打てますし、単打も2ストライクに追い込まれてからも器用に打つことができるバッティングが1番の持ち味だと思っています」。
最大の魅力はバッティングだ。本人が“2ストライクに追い込まれてから器用に打つことができる”と話すように、大学時代の映像を見ると、追い込まれてからノーステップ気味に打ちセンターから逆方向に意識して打撃しているように見えた。
本人に確認すると、「そうですね。場面に応じてしたりしなかったりはあるんですけど、そこは選択肢の一つとして自分の中で持っています」と、バットを強く振るだけでなく、状況に応じて“いろんな打撃”ができるのも強みだ。
熾烈な外野手争い
西川は外野手だが、ロッテの外野陣は今季103試合に出場して打率.287、7本塁打、33打点の成績を残した岡大海、7月度の月間MVPに輝いた髙部瑛斗、夏場以降ライトのレギュラーとして出場し打率.290をマークした藤原恭大、ベテランの荻野貴司と角中勝也、代走のスペシャリスト・和田康士朗、守備力が高い愛斗、今季は悔しい結果に終わったが、同じ右打ちの石川慎吾に山口航輝、ファームで本塁打と打点の二冠王の山本大斗と、競争は熾烈だ。ただ、今季は時期によって出場している外野手の顔ぶれが変わっており、新人の西川にも十分にチャンスはある。
西川は熾烈な外野の競争を勝ち抜くために「勝負強いバッティング、ここ一番で打てる、チームを助けられる力を身につけないといけないと思うので、プロ野球のピッチャーになるとレベルが上がりますし、そこに対応していかないと絶対に出られないと思うので、そこは一番に考えています」と話した。
上田希由翔は大学ジャパンでチームメイト
マリーンズには大学ジャパンで一緒に戦った上田希由翔がいる。入団が決まった後も、上田とは連絡をとったそうで、「ジャパンの時は希由翔さんと自分が4番打者を打たせていただいて、希由翔さんが後ろでいたので打席に入る前とか、普段の生活もそうですけど、優しくしていただいたので楽しみです」と、プロの舞台でチームメイトとしてプレーすることを楽しみにしている。
プロに入ってから競争が始まるが、大学時代からの知っている先輩もおり、熱いマリーンズファンもいる。マリーンズの応援には「すごく楽しみです」と、心待ちにしている。
プロ1年目の目標は「開幕スタメンを取りに行くという強い気持ちでやっていくのと、しっかりとシーズン通して出られるように、新人王を目指してやっていきたい」と掲げる。榎康弘アマスカウトディレクターは「球団としては走攻守三拍子揃った強打者で1年目から戦力になってもらうことはもちろん将来的にはマリーンズ、日本を代表する選手になってくれると期待しています」と期待を寄せる。
その期待を表すように背番号は3度の三冠王に輝いた落合博満氏、ZOZOマリンスタジアムに本拠地移転後日本人選手ではシーズン最多の25本塁打を放った初芝清氏、青山学院大の先輩である井口資仁氏が現役時代、監督時代に背負った“6”を着ける。歴代の右の長距離砲が着けてきた6番が似合う男になって欲しい。
▼ 西川史礁
生年月日:2003年3月25日生
守備位置:外野手
身長 / 体重:182センチ / 88キロ
投 / 打:右 / 右
経歴:龍谷大平安高-青山学院大-ロッテ(ドラフト1位)
取材・文=岩下雄太