ドジャース・山本由伸(写真=GettyImages)

◆ データで振り返る!メジャー日本人選手の2024年

▼ 第8回・山本由伸

 オリックス時代の2021年から23年までパ・リーグの投手四冠とともに沢村賞を受賞した山本由伸。不動のエースとしてチームを3連覇に導くと、満を持して昨季オフに念願のメジャー挑戦を果たした。

 争奪戦の末、山本がドジャースと結んだのは、12年総額3億2500万ドル(当時のレートで約465億円)という超大型契約。メジャーでもエース格としての活躍を期待されたが、オープン戦でいきなり躓いてしまう。

 3試合で0勝1敗、防御率8.38。現地メディアからは疑問符を投げかけられる中、山本はメジャーでの公式戦初登板を韓国で飾った。結果は1回5失点の大炎上。3つしかアウトを奪えず、まさかの黒星デビューとなった。

 しかし山本はそのまま引き下がらなかった。自身2度目の登板で5回を無失点の好投を見せると、その後も安定した投球を続け、初登板直後は45.00だった防御率も、自身7度目の登板を終えた時点で2点台まで良化。順調に白星を重ねていった。

 ところがオールスター選出の可能性も見えてきた6月にアクシデントに襲われる。同月15日(現地時間、以下同)のロイヤルズ戦で右上腕三頭筋の張りを訴えて降板。その後の検査で右肩腱板を損傷していることが判明し、長期離脱を強いられた。

 シーズン絶望という最悪の事態も想定される中、ようやく復帰を果たしたのは、9月10日だった。イニング制限がある中、徐々に調子を取り戻した山本は、ポストシーズンでも4試合に登板。2勝0敗、防御率3.86の成績を残し、渡米1年目から世界一の美酒を味わった。

 結局、レギュラーシーズンでは18試合に投げて7勝2敗、防御率3.00、奪三振率10.5をマーク。離脱がなければ何らかの個人タイトル争いにも加われていたはずだ。

 そんな山本が改善の余地を残したのが序盤の投球だろう。

 山本のイニング別防御率を見ると、初回の6.00を含めて3回までが4.76と、試合の立ち上がりに難があったことが分かる。一方で4~5回は何と合計28回を無失点。ポストシーズンでもこの2イニングに関しては失点を許さなかった。

 6回以降の防御率も2.45と悪くなく、試合序盤の投球次第で来季は今季以上の成績を残す可能性も十分あるだろう。

 また、興味深かったのが捕手別の防御率である。

 正捕手ウィル・スミスとは12回コンビを組み、防御率3.77といまひとつ。一方で、控えのオースティン・バーンズがマスクを被った時は6試合で1.29だった。来季は打撃力で勝るスミスとも息の合ったコンビネーションを見せたいところだろう。

 メジャー1年目に世界一に輝いた日本人メジャーリーガーは山本が史上4人目。来季はシーズンを完走した上で、日本人初となる1~2年目連覇に貢献したい。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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