51試合、2勝、27ホールド、5セーブ、防御率0.73。
ロッテの鈴木昭汰はプロ4年目の今季、あらゆる部門でキャリアハイの成績を残し、シーズン終了後に行われた『ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12』の日本代表に選出されるなど、飛躍の1年となった。
鈴木は昨年「ストレートの強さとインコースをテーマ」に投げ、夏場以降は「最後の方、形ができたというのは来季(2024年)に向けては良かった」と一軍で結果を出し、「今年、松井裕樹さんにお願いして自主トレをやらせてもらったんですけど、体の使い方、野球に対する考え方、栄養面、野球に関わる全てのことを教わってきた。すごく充実した気持ちでキャンプインできたと思います」と、チームメイトでロッテに加入するまで楽天でプレーしていた美馬学に紹介してもらい、大リーグ・パドレスに移籍した同じ左の松井裕樹と自主トレを行った。
松井は昨季まで楽天でプレーしていたが、NPB通算236セーブ、3度の最多セーブのタイトル獲得とリリーフで輝かしい実績を持つ。長く第一線で活躍している松井について鈴木は「球とか変化球が一級品なのはもちろんなんですけど、後ろでボールを見させてもらった時に、怖いというか、襲いかかってくる真っ直ぐだった」と、“ストレート”の凄さを肌で感じた。
「松井さんのような真っ直ぐを投げるために頑張らないといけないし、このクラスが第一線で活躍する選手なんだなと身にしみて感じましたね」。
自主トレで多くの学びを得た鈴木は開幕一軍を勝ち取るため、「いいピッチングを続けることじゃないですか。左ですし、僕みたいなタイプは結構印象に残らないといけないと思うので、しっかり抑えて鈴木で良かったなと思ってもらえるような印象をイメージを首脳陣に出していきたいと思います」と話していた中で、オープン戦で6試合・6回1/3を投げ、防御率1.42の成績を残し、見事に開幕を一軍で迎えた。
3月29日の日本ハムとの開幕戦、ストライク先行のピッチングで1回をわずか8球に抑える見事なピッチング。2月の練習試合、オープン戦からストライク先行が増えている。ストライク先行の投球ができている要因について訊くと、「ストライク先行しなきゃという気持ちで投げてはいないですけど、自然と投げたいところに投げられているんじゃないかなと思います」と自己分析した。
また、水野達稀を空振り三振に仕留めた132キロの縦スライダーが素晴らしかった。スライダーについて「スライダーは例年より感じよく投げられていますね」と振り返った。
開幕時点で昨年から見ていると、取り組んできたことが正しい方向に進んでいるように見えたが、翌3月30日の取材で「順調に正しい方向に進んでいると思いますけど、まだ始まって1試合しかたっていないし、これをどんどん継続してやっていくだけだと思います」と話し、「やっぱり安定した投球を続けていくことが一番ですし、日々取り組む中でしっかり時間を無駄にしないように1分1秒でも野球のことを考えてやっていきたいと思います」と前を見据えた。
4月3日のソフトバンク戦、2-2の10回に登板し1回を無失点に抑え今季初ホールドをあげると、4月17日の西武戦では「2対0で登板したその前にも同点で投げたりしていたので、そんなに気持ちの変化はなかったです。ただ、クローザーという部分においては昂る気持ちもありました」と、4月17日の西武戦では2-0の9回、クローザーの役割を託された。
「8回、9回っぽい感じはあったんですけど、“今日はクローザーで行くから”とは言われていなかった。ただ、自分の中では準備ができていましたね」。
ブルペンの電話が鳴り、勝ち試合の9回を投げるとなったときにスイッチのようなものは入ったのだろうかーー。
「スイッチも入りますし、自主トレで松井さんとやらせてもらって、あの人もクローザーですし、いつかこういうところで投げたいと思っていたので、すごい自分的に昂るものはありましたね。そのせいで球が高めに浮いたんですけどね(笑)」。
先頭の外崎修汰にセンター前に運ばれたが、アギラーを三塁ゴロ、中村剛也を遊ゴロ、最後は山村崇嘉のライトフェンス際の打球を愛斗がフェンスにぶつかりながらキャッチし試合を締め、プロ初セーブをマークした。
4月を終えた時点で、12試合・11回2/3を投げ、5ホールド、1セーブ、防御率0.00。「自信になってるかと言ったらわからないですけど、やってきたことが間違っていなかったなというのは思えたので、それがピッチングにも現れているんじゃないかなと思います」。
去年と今年の違いについて「真っ直ぐの制球力じゃないですね」とキッパリ。「真っ直ぐの強さも結構上がりましたね」と続けた。ストレートの強さに関しては昨年の夏場以降から継続して強さを感じるが本人は「自分の中ではかかりがいい感じ」と、昨年からもう1段階上がったとのことだった。
5月に入り、15日のオリックス戦で今季初失点を喫したが、開幕からの自責点「0」を継続。5月21日の西武戦、5-3の8回無死走者なしで、蛭間拓哉に2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた5球目のインコース144キロストレートが素晴らしかった。
「どんどん左のインコースに攻めていかないといけないと思いますし、それが僕の強みでもあるので、どんどんこれからもどんなバッターにもやっていこうかなと思います」。
5月26日のソフトバンク戦では、2-0の7回無死満塁のピンチで登板し、「2対0で勝っていたので、そのリードを絶対守ろうと思って、気持ち込めてマウンドに行きました」。代打・中村晃を投併に仕留めると、三森大貴を遊ゴロでピンチを脱した。
4月終了時点で右打者の被打率.130(23-3)に対し、左打者の被打率が.286(21-6)と左打者にやや打たれていたが、同日のソフトバンク戦で中村晃、三森といった左打者を封じたように、5月に入ってから左打者を封じるケースが増えた。
5月25日のソフトバンク戦で周東佑京を二併に仕留めてから6月29日のオリックス戦で森友哉に安打を打たれるまで、左打者に対して19打数連続無安打に抑えた。
左打者を抑えられている要因について訊くと鈴木は「対左の方が悪いので、そこは意識しています。特に何かを変えたと言われたらわからないですけど、何ていうんですかね、スライダー、真っ直ぐの精度が左の制球を見直してやっていました」と教えてくれた。
開幕から27試合連続自責点0に抑えていたが、6月29日のオリックス戦で3-3の10回一死二塁から杉本裕太郎に1ボールから投じた2球目の136キロツーシームをレフトスタンドに決勝被弾。これが今季初自責点となり、敗戦投手となった。
「引きずってもしょうがないので、次同じことをしないようにという気持ちが良かったのかなと思います」と続く7月3日の日本ハム戦では1回・8球を投げ、三者凡退に打ち取った。
開幕からブルペンを支えていた鈴木は、『マイナビオールスターゲーム2024』にも監督選抜での出場を決めた。
第2戦にリリーフ登板し「試合結果、云々というより、そういう舞台に立てたというのが嬉しかったし、打たれる、打たれないを気にせず、久々に投げられたかなと思いました(笑)」と1回を無失点に抑えた。
「抑えないとオールスターに出られないわけじゃないですか。そういうところに出られたのは自信にもなりましたし、だからと言って何かを変えることもなく後半戦も頑張りたいと思います」。
鈴木は6月25日の取材で「交流戦最初の方は疲れが溜まっていた」と話していたが、そこを乗り越えて、7月は月間6試合に登板して、4ホールド、防御率0.00。「ここからは1試合1試合、後先考えずに目の前の試合を頑張るしかない」とキッパリ。
8月4日のオリックス戦では、3-0の9回に登板し1回を無失点に抑え、5月25日のソフトバンク戦以来となる久々のセーブを挙げた。「勝ちゲームなので、気負いすぎると良くないので」といつもと変わらずマウンドに上がり、「(小川)龍成が2点タイムリーを打ってくれたので、だいぶ楽な気持ちで行けました」と1-0の9回表に貴重な追加点となる2点適時打を放った同学年の小川龍成に感謝した。
相手が対策を練ってくる中で、「いや〜本当に毎試合、毎試合リセットしているのでやれることは変わらないですし、そこしかないですね」と8月も月間8試合に登板して、5ホールド、2セーブ、防御率0.00と変わらぬ安定感を披露。
8、9月のこの時期はクライマックスシリーズ進出争いが熾烈になっていた時期。鈴木のポジションは、勝ち試合の8回や9回とチームの勝敗に直結する大事な場面で、残り試合が少なくなれば、より抑えなければならないというプレッシャーは大きくなるが、「もちろん大事な時期ですし、プレッシャーもあります」としながらも、「プレッシャーを感じながら投げられるのはありがたいことだと思うので、本当に頑張りたいです」と前を向いた。
10月1日の楽天戦に勝利し、2年連続でのCS進出が決定。鈴木自身もチームトップの51試合に登板、2勝2敗27ホールド5セーブ、防御率0.73だった。
レギュラーシーズンについて「長いようで早かったし、早かったようで長かったです」と振り返り、プロ4年目の今季は開幕から一度も一軍登録抹消されることなく、一軍で戦い抜いたことも自信に繋がった。
鈴木は「よりシビアな戦いになると思うし、僕らは3位でいくのでどんどん倒していって、まずは一戦必勝で僕が投げるところで投げて、しっかり抑えたいと思います」と決意を述べ、挑んだ日本ハムとのCSでは、ファーストステージ第1戦、2-0の9回に登板し、先頭の清宮を1ボール2ストライクから外角の132キロスライダーで空振り三振に打ち取ったが、ここで交代。続く第2戦は2-1の8回に登板しスコアボードに0を入れた。
鈴木がベンチ外となった第3戦にチームは敗れ、ファーストステージで敗退。鈴木はシーズンが終えた後も、プレミア12の代表の一員として腕を振った。
“継続”したことが“結果”につながり、充実の1年となった。
「すごい自信になりましたし、失敗が3回ほどあったと思うんですけど、その3回を反省して次のシーズンに臨まないといけない。まだまだやることはたくさんあると思うので、これに満足せずにこの成績を来年も再来年も、安定して結果を残さないといけないなという思いが強くなりました」。
シーズンオフの期間が短くなるのは気になるところ。10月19日に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習での取材で、「11月いっぱい休んで、12月、1月としっかりできる期間があるので、そこでしっかりやっていきたいと思います」と話していた。
今季の経験を踏まえ、来季が非常に重要になってくる。「いろんな経験をさせてもらった中で、来年は相手も練ってくるし、うまくいかないこともあるかもしれないですけど、現状維持じゃ絶対にダメ。変えることを恐れずに来年はもっともっと良い成績を追い求めてやっていきたいと思います」。2年連続で結果を残し、来季もマリーンズのブルペンを支えていく。
取材・文=岩下雄太
ロッテの鈴木昭汰はプロ4年目の今季、あらゆる部門でキャリアハイの成績を残し、シーズン終了後に行われた『ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12』の日本代表に選出されるなど、飛躍の1年となった。
開幕から安定
松井は昨季まで楽天でプレーしていたが、NPB通算236セーブ、3度の最多セーブのタイトル獲得とリリーフで輝かしい実績を持つ。長く第一線で活躍している松井について鈴木は「球とか変化球が一級品なのはもちろんなんですけど、後ろでボールを見させてもらった時に、怖いというか、襲いかかってくる真っ直ぐだった」と、“ストレート”の凄さを肌で感じた。
「松井さんのような真っ直ぐを投げるために頑張らないといけないし、このクラスが第一線で活躍する選手なんだなと身にしみて感じましたね」。
自主トレで多くの学びを得た鈴木は開幕一軍を勝ち取るため、「いいピッチングを続けることじゃないですか。左ですし、僕みたいなタイプは結構印象に残らないといけないと思うので、しっかり抑えて鈴木で良かったなと思ってもらえるような印象をイメージを首脳陣に出していきたいと思います」と話していた中で、オープン戦で6試合・6回1/3を投げ、防御率1.42の成績を残し、見事に開幕を一軍で迎えた。
3月29日の日本ハムとの開幕戦、ストライク先行のピッチングで1回をわずか8球に抑える見事なピッチング。2月の練習試合、オープン戦からストライク先行が増えている。ストライク先行の投球ができている要因について訊くと、「ストライク先行しなきゃという気持ちで投げてはいないですけど、自然と投げたいところに投げられているんじゃないかなと思います」と自己分析した。
また、水野達稀を空振り三振に仕留めた132キロの縦スライダーが素晴らしかった。スライダーについて「スライダーは例年より感じよく投げられていますね」と振り返った。
開幕時点で昨年から見ていると、取り組んできたことが正しい方向に進んでいるように見えたが、翌3月30日の取材で「順調に正しい方向に進んでいると思いますけど、まだ始まって1試合しかたっていないし、これをどんどん継続してやっていくだけだと思います」と話し、「やっぱり安定した投球を続けていくことが一番ですし、日々取り組む中でしっかり時間を無駄にしないように1分1秒でも野球のことを考えてやっていきたいと思います」と前を見据えた。
4月3日のソフトバンク戦、2-2の10回に登板し1回を無失点に抑え今季初ホールドをあげると、4月17日の西武戦では「2対0で登板したその前にも同点で投げたりしていたので、そんなに気持ちの変化はなかったです。ただ、クローザーという部分においては昂る気持ちもありました」と、4月17日の西武戦では2-0の9回、クローザーの役割を託された。
「8回、9回っぽい感じはあったんですけど、“今日はクローザーで行くから”とは言われていなかった。ただ、自分の中では準備ができていましたね」。
ブルペンの電話が鳴り、勝ち試合の9回を投げるとなったときにスイッチのようなものは入ったのだろうかーー。
「スイッチも入りますし、自主トレで松井さんとやらせてもらって、あの人もクローザーですし、いつかこういうところで投げたいと思っていたので、すごい自分的に昂るものはありましたね。そのせいで球が高めに浮いたんですけどね(笑)」。
先頭の外崎修汰にセンター前に運ばれたが、アギラーを三塁ゴロ、中村剛也を遊ゴロ、最後は山村崇嘉のライトフェンス際の打球を愛斗がフェンスにぶつかりながらキャッチし試合を締め、プロ初セーブをマークした。
4月を終えた時点で、12試合・11回2/3を投げ、5ホールド、1セーブ、防御率0.00。「自信になってるかと言ったらわからないですけど、やってきたことが間違っていなかったなというのは思えたので、それがピッチングにも現れているんじゃないかなと思います」。
去年と今年の違いについて「真っ直ぐの制球力じゃないですね」とキッパリ。「真っ直ぐの強さも結構上がりましたね」と続けた。ストレートの強さに関しては昨年の夏場以降から継続して強さを感じるが本人は「自分の中ではかかりがいい感じ」と、昨年からもう1段階上がったとのことだった。
5月に入り、15日のオリックス戦で今季初失点を喫したが、開幕からの自責点「0」を継続。5月21日の西武戦、5-3の8回無死走者なしで、蛭間拓哉に2ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた5球目のインコース144キロストレートが素晴らしかった。
「どんどん左のインコースに攻めていかないといけないと思いますし、それが僕の強みでもあるので、どんどんこれからもどんなバッターにもやっていこうかなと思います」。
5月26日のソフトバンク戦では、2-0の7回無死満塁のピンチで登板し、「2対0で勝っていたので、そのリードを絶対守ろうと思って、気持ち込めてマウンドに行きました」。代打・中村晃を投併に仕留めると、三森大貴を遊ゴロでピンチを脱した。
左打者を封じる
4月終了時点で右打者の被打率.130(23-3)に対し、左打者の被打率が.286(21-6)と左打者にやや打たれていたが、同日のソフトバンク戦で中村晃、三森といった左打者を封じたように、5月に入ってから左打者を封じるケースが増えた。
5月25日のソフトバンク戦で周東佑京を二併に仕留めてから6月29日のオリックス戦で森友哉に安打を打たれるまで、左打者に対して19打数連続無安打に抑えた。
左打者を抑えられている要因について訊くと鈴木は「対左の方が悪いので、そこは意識しています。特に何かを変えたと言われたらわからないですけど、何ていうんですかね、スライダー、真っ直ぐの精度が左の制球を見直してやっていました」と教えてくれた。
開幕から27試合連続自責点0に抑えていたが、6月29日のオリックス戦で3-3の10回一死二塁から杉本裕太郎に1ボールから投じた2球目の136キロツーシームをレフトスタンドに決勝被弾。これが今季初自責点となり、敗戦投手となった。
「引きずってもしょうがないので、次同じことをしないようにという気持ちが良かったのかなと思います」と続く7月3日の日本ハム戦では1回・8球を投げ、三者凡退に打ち取った。
初のオールスター
開幕からブルペンを支えていた鈴木は、『マイナビオールスターゲーム2024』にも監督選抜での出場を決めた。
第2戦にリリーフ登板し「試合結果、云々というより、そういう舞台に立てたというのが嬉しかったし、打たれる、打たれないを気にせず、久々に投げられたかなと思いました(笑)」と1回を無失点に抑えた。
「抑えないとオールスターに出られないわけじゃないですか。そういうところに出られたのは自信にもなりましたし、だからと言って何かを変えることもなく後半戦も頑張りたいと思います」。
鈴木は6月25日の取材で「交流戦最初の方は疲れが溜まっていた」と話していたが、そこを乗り越えて、7月は月間6試合に登板して、4ホールド、防御率0.00。「ここからは1試合1試合、後先考えずに目の前の試合を頑張るしかない」とキッパリ。
8月4日のオリックス戦では、3-0の9回に登板し1回を無失点に抑え、5月25日のソフトバンク戦以来となる久々のセーブを挙げた。「勝ちゲームなので、気負いすぎると良くないので」といつもと変わらずマウンドに上がり、「(小川)龍成が2点タイムリーを打ってくれたので、だいぶ楽な気持ちで行けました」と1-0の9回表に貴重な追加点となる2点適時打を放った同学年の小川龍成に感謝した。
相手が対策を練ってくる中で、「いや〜本当に毎試合、毎試合リセットしているのでやれることは変わらないですし、そこしかないですね」と8月も月間8試合に登板して、5ホールド、2セーブ、防御率0.00と変わらぬ安定感を披露。
CS激化の9月も素晴らしい投球
8、9月のこの時期はクライマックスシリーズ進出争いが熾烈になっていた時期。鈴木のポジションは、勝ち試合の8回や9回とチームの勝敗に直結する大事な場面で、残り試合が少なくなれば、より抑えなければならないというプレッシャーは大きくなるが、「もちろん大事な時期ですし、プレッシャーもあります」としながらも、「プレッシャーを感じながら投げられるのはありがたいことだと思うので、本当に頑張りたいです」と前を向いた。
10月1日の楽天戦に勝利し、2年連続でのCS進出が決定。鈴木自身もチームトップの51試合に登板、2勝2敗27ホールド5セーブ、防御率0.73だった。
レギュラーシーズンについて「長いようで早かったし、早かったようで長かったです」と振り返り、プロ4年目の今季は開幕から一度も一軍登録抹消されることなく、一軍で戦い抜いたことも自信に繋がった。
鈴木は「よりシビアな戦いになると思うし、僕らは3位でいくのでどんどん倒していって、まずは一戦必勝で僕が投げるところで投げて、しっかり抑えたいと思います」と決意を述べ、挑んだ日本ハムとのCSでは、ファーストステージ第1戦、2-0の9回に登板し、先頭の清宮を1ボール2ストライクから外角の132キロスライダーで空振り三振に打ち取ったが、ここで交代。続く第2戦は2-1の8回に登板しスコアボードに0を入れた。
鈴木がベンチ外となった第3戦にチームは敗れ、ファーストステージで敗退。鈴木はシーズンが終えた後も、プレミア12の代表の一員として腕を振った。
“継続”したことが“結果”につながり、充実の1年となった。
「すごい自信になりましたし、失敗が3回ほどあったと思うんですけど、その3回を反省して次のシーズンに臨まないといけない。まだまだやることはたくさんあると思うので、これに満足せずにこの成績を来年も再来年も、安定して結果を残さないといけないなという思いが強くなりました」。
シーズンオフの期間が短くなるのは気になるところ。10月19日に行われたZOZOマリンスタジアムでの秋季練習での取材で、「11月いっぱい休んで、12月、1月としっかりできる期間があるので、そこでしっかりやっていきたいと思います」と話していた。
今季の経験を踏まえ、来季が非常に重要になってくる。「いろんな経験をさせてもらった中で、来年は相手も練ってくるし、うまくいかないこともあるかもしれないですけど、現状維持じゃ絶対にダメ。変えることを恐れずに来年はもっともっと良い成績を追い求めてやっていきたいと思います」。2年連続で結果を残し、来季もマリーンズのブルペンを支えていく。
取材・文=岩下雄太