ロッテは、Vision2025のひとつに“新たな常勝軍団”を掲げている。2020年以降の直近5年は2位、2位、5位、2位、3位と4度のAクラス入り。リーグ優勝に手が届きそうなところまでいきながらも、それを手放してしまったシーズンもある。これまでも何百回も述べてきたが、その原因のひとつがチームとしての好不調の波の大きさだろう。
20年は8月(16勝8敗2分)と9月(15勝11敗)は勝ち越し、いずれも月別ではリーグトップの成績を残し、10月9日のソフトバンク戦との“首位攻防”の初戦に勝利した。10月9日終了時点で首位・ソフトバンクとゲーム差「0.0」と優勝争いを演じていたが、10月10日以降は打線の不振が響き、7勝17敗1分と大きく負け越し、リーグ優勝を逃した。
「この1点を、つかみ取る。」をチームスローガンに掲げリーグ制覇を目指した21年は、一時は2位だったオリックスに4ゲーム差をつけ、1勝すれば優勝マジックが点灯する9月28日からの2位・オリックスとの3連戦でまさかの3連敗。それでも、10月に2位ながら1970年以来51年ぶりとなる優勝マジックを点灯させ、優勝マジックを「3」まで減らしたが、オリックスが最終戦となった10月25日の楽天戦に勝利し、ロッテはソフトバンクに7-15と大敗。これでロッテは優勝するために残り3試合を3勝、もしくは2勝1分で終えなければいけない状況になった。もう1敗も許されない10月27日の楽天戦に1-2で敗れた。
22年は6月4日の巨人戦後に借金が同年ワーストタイの9になったが、翌5日の巨人戦に10-4で勝利すると、同日からの1カ月で14勝5敗と大きく勝ち越し、7月1日の楽天戦後に借金を完済し、翌2日には貯金を「1」とした。7月23日の日本ハム戦には最多の貯金3とし、前半戦を46勝44敗1分、首位と2ゲーム差の4位で終えた。首位の背中が見えたなかで、オールスター明けのオリックスとの3連戦に3連敗。ここからチームはなかなか勝つことができず、8月23日の西武戦後には借金は7に膨らみ、首位とのゲーム差も8.5とリーグ優勝がほぼ絶望的な状況に。9月12日の日本ハム戦後に首位とのゲーム差を5まで縮めたが、最終的にはリーグ優勝したオリックスと7.5ゲーム差の5位に終わった。
23年は42勝32敗4分、首位・オリックスと3.5ゲーム差の2位で終え、オールスター明け最初のカードとなったソフトバンクとの3連戦に3連勝。貯金を最多の『13』とした。これで勢いに乗っていくかと思われたが、8月最初の3連戦となった日本ハム戦に1勝2敗で負け越すと、ここから3カード連続で負け越し。8月15日からの下位に低迷する日本ハムとの3連戦に3連敗を喫するなど、8月は11勝15敗1分と、結果的に夏場に勝てなかった。9月に入っても苦しい戦いが続き、19日のオリックス戦から26日の日本ハム戦にかけて7連敗で最大13あった貯金を吐き出し、9月26日の日本ハム戦後には借金2となり、4位に転落した。9月30日の西武戦でサヨナラ勝ちすると、ここから6勝2敗と勝ち越し、負ければ4位となるシーズン最終戦の楽天戦に5-0で勝利し2位でCS進出を決めた。この年も7月29日終了時点で、首位・オリックスとゲーム差『2』まで迫りながら、夏場以降の失速で最後はCS争いに巻き込まれてしまった。
昨季も4月19日の日本ハム戦から4月27日の楽天戦にかけて7連敗、5月14日のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけて15試合連続負けなしでチーム状態を上向いたかと思ったが、交流戦は7勝9敗2分の負け越し。7月は再び13勝9敗と勝ち越し、8月に入ってからは11日のオリックス戦後、13日の日本ハム戦後に最多の貯金12としたが、18日のソフトバンク戦から23日のオリックス戦にかけて5連敗。8月はリーグ優勝したソフトバンクと8試合、2位・日本ハムと6試合組まれたが、ソフトバンク戦が3勝5敗、日本ハム戦が1勝5敗とこの2球団に4勝10敗と負け越したことが、8月の月間12勝15敗の負け越しにダイレクトに反映された。
9月は大きく勝ち越している西武、楽天、オリックスといった下位球団との対戦となったが、9月は10勝10敗と大きな貯金を作れず。最後は2位争いどころか3位争いに巻き込まれ、最終的には3位を死守し2年連続CS進出を決めたが、夏場以降の戦い、チームとしての好不調というところに課題を残した。
ここ数年のロッテはチームとして安定した戦いができず、ポイントとなる試合をことごとく落とし、春先の比較的緩やかな日程の時に勝てるが過密日程となる暑い8月に勝てず、打線も貧打に喘ぎ、最終盤に再びチームとしての勢いを盛り返すような戦いを何年も続けている。
チームとしての好不調の波を克服しないことには、リーグ優勝も見えてこない。昨季、一昨年は苦手の8月に27試合組まれたが、今季は31日中25試合。そのうちホームゲームは15試合も組まれている。昨季は暑い夏場の対策の一つとしてZOZOマリンスタジアムの試合前練習では、野手陣は室内練習場で打撃練習を行った。投手陣も例年、勝負所を見据えて登板管理をし、しっかりと運用している。ここを乗り越え、勝負の9月を迎えたい。そして、今季こそ歓喜の秋にしたい。
文=岩下雄太
20年は8月(16勝8敗2分)と9月(15勝11敗)は勝ち越し、いずれも月別ではリーグトップの成績を残し、10月9日のソフトバンク戦との“首位攻防”の初戦に勝利した。10月9日終了時点で首位・ソフトバンクとゲーム差「0.0」と優勝争いを演じていたが、10月10日以降は打線の不振が響き、7勝17敗1分と大きく負け越し、リーグ優勝を逃した。
「この1点を、つかみ取る。」をチームスローガンに掲げリーグ制覇を目指した21年は、一時は2位だったオリックスに4ゲーム差をつけ、1勝すれば優勝マジックが点灯する9月28日からの2位・オリックスとの3連戦でまさかの3連敗。それでも、10月に2位ながら1970年以来51年ぶりとなる優勝マジックを点灯させ、優勝マジックを「3」まで減らしたが、オリックスが最終戦となった10月25日の楽天戦に勝利し、ロッテはソフトバンクに7-15と大敗。これでロッテは優勝するために残り3試合を3勝、もしくは2勝1分で終えなければいけない状況になった。もう1敗も許されない10月27日の楽天戦に1-2で敗れた。
22年は6月4日の巨人戦後に借金が同年ワーストタイの9になったが、翌5日の巨人戦に10-4で勝利すると、同日からの1カ月で14勝5敗と大きく勝ち越し、7月1日の楽天戦後に借金を完済し、翌2日には貯金を「1」とした。7月23日の日本ハム戦には最多の貯金3とし、前半戦を46勝44敗1分、首位と2ゲーム差の4位で終えた。首位の背中が見えたなかで、オールスター明けのオリックスとの3連戦に3連敗。ここからチームはなかなか勝つことができず、8月23日の西武戦後には借金は7に膨らみ、首位とのゲーム差も8.5とリーグ優勝がほぼ絶望的な状況に。9月12日の日本ハム戦後に首位とのゲーム差を5まで縮めたが、最終的にはリーグ優勝したオリックスと7.5ゲーム差の5位に終わった。
23年は42勝32敗4分、首位・オリックスと3.5ゲーム差の2位で終え、オールスター明け最初のカードとなったソフトバンクとの3連戦に3連勝。貯金を最多の『13』とした。これで勢いに乗っていくかと思われたが、8月最初の3連戦となった日本ハム戦に1勝2敗で負け越すと、ここから3カード連続で負け越し。8月15日からの下位に低迷する日本ハムとの3連戦に3連敗を喫するなど、8月は11勝15敗1分と、結果的に夏場に勝てなかった。9月に入っても苦しい戦いが続き、19日のオリックス戦から26日の日本ハム戦にかけて7連敗で最大13あった貯金を吐き出し、9月26日の日本ハム戦後には借金2となり、4位に転落した。9月30日の西武戦でサヨナラ勝ちすると、ここから6勝2敗と勝ち越し、負ければ4位となるシーズン最終戦の楽天戦に5-0で勝利し2位でCS進出を決めた。この年も7月29日終了時点で、首位・オリックスとゲーム差『2』まで迫りながら、夏場以降の失速で最後はCS争いに巻き込まれてしまった。
昨季も4月19日の日本ハム戦から4月27日の楽天戦にかけて7連敗、5月14日のオリックス戦から6月1日の阪神戦にかけて15試合連続負けなしでチーム状態を上向いたかと思ったが、交流戦は7勝9敗2分の負け越し。7月は再び13勝9敗と勝ち越し、8月に入ってからは11日のオリックス戦後、13日の日本ハム戦後に最多の貯金12としたが、18日のソフトバンク戦から23日のオリックス戦にかけて5連敗。8月はリーグ優勝したソフトバンクと8試合、2位・日本ハムと6試合組まれたが、ソフトバンク戦が3勝5敗、日本ハム戦が1勝5敗とこの2球団に4勝10敗と負け越したことが、8月の月間12勝15敗の負け越しにダイレクトに反映された。
9月は大きく勝ち越している西武、楽天、オリックスといった下位球団との対戦となったが、9月は10勝10敗と大きな貯金を作れず。最後は2位争いどころか3位争いに巻き込まれ、最終的には3位を死守し2年連続CS進出を決めたが、夏場以降の戦い、チームとしての好不調というところに課題を残した。
ここ数年のロッテはチームとして安定した戦いができず、ポイントとなる試合をことごとく落とし、春先の比較的緩やかな日程の時に勝てるが過密日程となる暑い8月に勝てず、打線も貧打に喘ぎ、最終盤に再びチームとしての勢いを盛り返すような戦いを何年も続けている。
チームとしての好不調の波を克服しないことには、リーグ優勝も見えてこない。昨季、一昨年は苦手の8月に27試合組まれたが、今季は31日中25試合。そのうちホームゲームは15試合も組まれている。昨季は暑い夏場の対策の一つとしてZOZOマリンスタジアムの試合前練習では、野手陣は室内練習場で打撃練習を行った。投手陣も例年、勝負所を見据えて登板管理をし、しっかりと運用している。ここを乗り越え、勝負の9月を迎えたい。そして、今季こそ歓喜の秋にしたい。
文=岩下雄太