ヤンキース時代のCCサバシアとイチロー(写真=GettyImages)

 今週のスポーツニュースは米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏の話題で持ちきりだ。

 現地23日(日本時間24日)には、同時に選出されたCCサバシア、ビリー・ワグナーとともに記者会見に臨み、イチロー氏は唯一自身に投票しなかった記者を飲みに誘うなどユーモアたっぷりのコメントを残した。

 そんな中、24年前のある出来事に触れたのが通算251勝を挙げ、イチローと同じ有資格1年目で殿堂入りを果たしたCCサバシアである。

 記者会見では、「イチロー、ビリー・ワグナーとともにこの場にいられてとても興奮している」と当たり障りのないコメントから始めたが、イチロー氏について覚えていることの一つとして、「私からルーキー・オブ・ザ・イヤー(新人王)を奪ったこと」と冗談交じりに発言。本人も笑みを浮かべていたが、半分は本気だったかもしれない。

 年齢こそ7歳違うサバシアとイチロー氏だが、メジャーでデビューしたのは同じ2001年。いきなり242安打を放ち、首位打者と盗塁王に輝いたイチロー氏がア・リーグMVPと新人王を両獲りし、メジャーに衝撃を与えた。

 一方でシーズン途中に20歳になったサバシアは前年までメジャーでの登板がなかったが、開幕からインディアンスのローテーションに定着。いきなり17勝(5敗)を挙げる活躍を見せた。防御率こそ4.39だったが、当時は打高投低の時代。その後の20年超で1年目に17勝以上した新人投手は06年のジャスティン・バーランダー(17勝)だけという事実と照らし合わせても、そのパフォーマンスは抜きんでていたといえるだろう。

 ところが、01年オフの新人王投票では28人の記者のうち27人がイチロー氏に票1位を投じた一方で、サバシアが得たのは地元オハイオ州の記者1人からだけという結果だった。

 17勝したとはいえ、“無冠”だったサバシアに対して、イチローは2つの個人タイトルを獲得し、さらにMVPまで受賞。イチローに“反対票”を投じた記者に対する疑問の声もあったにはあったが、逆に日本で飛び抜けた実績を持つイチローに“新人王の資格があるべきか”という議論があったのも事実だ。

 その証拠に、その後にプロ野球を経由してメジャーに挑戦した日本人選手で新人王に輝いたのは、18年の大谷翔平(当時24歳)だけ。松井秀喜氏や昨季の今永昇太など実績のある“中堅”選手たちは新人王投票で割を食うことも少なくない。今ならイチロー氏ではなくサバシアが間違いなく新人王に選ばれていただろう。

 さて、話をもう一度サバシアのコメントに戻そう。実は殿堂入りが発表された直後にも「イチローが2001年のア・リーグ新人王を俺から盗んだ(Ichiro stole that 2001 AL Rookie of the Year from me)」と自身のXに投稿していたサバシア。ただ「でも、兄さんと一緒に殿堂入りできて丸く収まった瞬間でもある(but it’s a full circle moment to enter the Hall of Fame with you brother)」と、イチロー氏を兄呼ばわりし、矛を収めていた。

 現役時代からイチローの陰に隠れる形となったサバシアだが、7月に予定されている殿堂入り式典では兄から主役の座を奪うようなコメントを残してもらいたいところだ。

文=八木遊(やぎ・ゆう)

【八木遊・プロフィール】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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この記事を書いたのは

八木遊

1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。

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