ドラ4石伊加入の捕手争いにも注目
中日は1月20日、2月1日から沖縄で始まる春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。新人ではドラフト2位の吉田聖弥投手(22=西濃運輸)と同4位の石伊雄太捕手(24=日本生命)が主力メインの北谷スタート。カイル・マラー投手(27)とジェイソン・ボスラー内野手(31)の新外国人2名も北谷メンバーに入った。井上一樹新監督(53)の下、チーム再建を目指す新生・中日。土台作りとなるキャンプの見どころを探る。
●先発は楽しみな左腕が大量加入、抑えは適任者多し
昨年まで4年連続で規定投球回をクリアした小笠原慎之介のナショナルズ移籍が決定。絶対的守護神だったライデル・マルティネスは巨人入りと、先発・救援の柱が抜けた。ただ、昨秋のドラフトでは小笠原流出を見越し、1位で4球団が競合した金丸夢斗、2位で吉田と即戦力候補の左腕を2枚獲得。さらに、昨年のウエスタン・リーグで最優秀防御率(1.60)のタイトルに輝いた前ソフトバンクの三浦瑞樹とは育成契約を結んだ。新助っ人のマラーも先発タイプの大型左腕。新戦力の突き上げに加え、実績のある大野雄大や柳裕也の復活があれば再び強力ローテ完成に期待が持てる。
新守護神争いは、昨季ともに防御率1点台だった清水達也と松山晋也が“ポスト・ライマル”の筆頭。さらに、3年連続50試合登板の藤嶋健人、昨季ともに中継ぎ左腕として活躍した橋本侑樹と齋藤綱記もおり、勝ちパターン争いからも目が離せない。
●福永が二塁再挑戦、遊撃争いは白熱の様相
昨季、主に三塁手として打率.306をマークした福永裕基を、井上監督は再び二塁で起用する方針。「二塁・福永」の仕上がり具合は今キャンプの重要なポイントだ。これで一塁・中田翔、三塁・石川昂弥がハマれば理想的な打線が組めるが結果はいかに。外野に加え一・三塁も守れる新外国人のボスラー、秋季キャンプでは一塁守備にもチャレンジしていた主砲の細川成也らも含め、長いシーズンと結果にフォーカスしながらベストな陣形を模索する。
遊撃争いは北谷メンバーに村松開人、土田龍空、辻本倫太郎、津田啓史と期待の若手が揃っており、同世代による白熱したアピール合戦に期待したい。
●高齢化懸念の捕手陣、楽しみな石伊vs.石橋の同学年バトル!
昨季、主にマスクを被った木下拓哉、宇佐見真吾、加藤匠馬は全員30代。そこに社会人No.1捕手の石伊が加わった。また、昨季は二軍を指揮していた井上監督の下で研鑽を積んだ7年目の石橋康太も北谷キャンプスタート。石伊と石橋はともに2000年生まれの24歳。切磋琢磨しながら“強竜復活”の一翼を担ってほしいところだ。
●最下位脱出へ“モチベーター・井上”の舵取りにも注目
井上監督は2023年のウエスタン・リーグ最下位だったチームを、昨季は優勝争いへ導き最終結果は貯金25の2位。“モチベーター”を自称しており雰囲気作りに定評がある。今キャンプでは一・二軍の頻繁なメンバー入れ替えを示唆しており、読谷スタートとなっている梅津晃大、根尾昂、田中幹也、ブライト健太らの突き上げにも期待。競争力を煽りながら3年連続最下位のチームを立て直す。
中日キャンプのメンバー振り分けは以下の通り(今後、変更の可能性あり)。
【北谷組】
<投手=21名>
橋本侑樹、柳裕也、髙橋宏斗、涌井秀章、大野雄大、仲地礼亜、森博人、松木平優太、伊藤茉央、勝野昌慶、梅野雄吾、吉田聖弥、清水達也、藤嶋健人、斎藤綱記、松山晋也、ウンベルト・メヒア、カイル・マラー、三浦瑞樹、岡田俊哉、近藤廉
<捕手=4名>
石伊雄太、木下拓哉、宇佐見真吾、石橋康太
<内野手=10名>
辻本倫太郎、オルランド・カリステ、村松開人、中田翔(2月6日から合流予定)、福永裕基、石川昂弥、津田啓史、土田龍空、板山祐太郎、樋口正修
<外野手=6名>
尾田剛樹、岡林勇希、ジェイソン・ボスラー、濱将乃介、上林誠知、細川成也
【読谷組】
<投手=18名>
草加勝、岩嵜翔、梅津晃大、金丸夢斗、根尾昂、祖父江大輔、福敬登、福田幸之介、松葉貴大、土生翔太、高橋幸佑、有馬惠叶、井上剣也、石川翔、野中天翔、森山暁生、菊田翔友、ランディ・マルティネス
<捕手=4名>
味谷大誠、加藤匠馬、山浅龍之介、日渡騰輝
<内野手=8名>
田中幹也、高橋周平、森駿太、山本泰寛、クリスチャン・ロドリゲス、中村奈一輝、星野真生、川上理偉
<外野手=8名>
大島洋平、ブライト健太、川越誠司、駿太(後藤駿太)、鵜飼航丞、加藤竜馬、福元悠真、カルロス・モニエル