今季も打たせて取る投球で行くぞ!
ロッテの国吉佑樹は、新シーズンに向けて準備を着々と進めている。
移籍4年目の昨季、球団新記録となる24試合連続無失点を記録するなど、移籍後最多の41試合に登板し、3勝1敗10ホールド1セーブ、防御率1.51と抜群の安定感を誇った。復活の理由のひとつが、“ストライク先行の打たせる投球”だった。
「去年良かったところは今年もそのまま続けていけたらいいなと思いますし、まだまだ全然足りないなというところがあるので、その辺をどうやっていけばより良くできるかなというのを考えながら取り組んでいました。基本的には何も変えていないですね」。
今季も昨季と同様の投球スタイルで勝負していく予定。足りない部分について「全部ですけど、これで十分だというのは何もないので、もっともっといいピッチャーになるにはどうしたらいいのかなというのは常に考えている。どこがというよりかは全体的に」と、さらなる高みを目指す。
昨季は「2ストライク取ったら、ちょっと狙ってみようかなという気持ちが出るくらい」と投球スタイルの変更で三振へのこだわりが小さくなったが、今季も「最初から(三振を)取りにいくというよりは、三振を取れるのが一番安全なアウトの取り方だと思うので、多く取れるには越したことはないですけど、そこに固執しすぎてもピッチングスタイルが見失うことにもなるので、そこは忘れないように。三振を取れる時に取れる。もうちょっと奪三振を取れるようにしたいなとは思います」と昨季の41回2/3を投げ21奪三振から、もう少し三振を増やしたいという考えを持っている。
「まずは一軍の枠を取らないと」
球種に関しては昨季、ストレート、強弱をつけて投げたフォークとカットボール、時折カーブを織り交ぜていたが、今季も同じようなイメージなのだろうかーー。
「それでいきたいですけど、何か加えた方がいいなと思ったら新しいボールを取り組んだりしますし、そこに関してはこれっていうこだわりはないので、増えるかもしれないですし、いらないなと思ったら減るかもしれないです」と現時点での考えを示した。
昨季はビハインドゲームを中心に時には勝ち試合の場面でも登板するなど、さまざまな局面でマウンドに上がったが、今季もポジションにこだわらず腕を振っていきたい考えなのだろうかーー。
「まずは一軍の枠を取らないとポジションというところも見えない。ポジションを掴みにいかないといけないなと思います。枠の中に入るというのはすごく大事だと思うので」と、昨季好結果を残したが、あくまで一軍を目指す立場であると謙虚だ。
今季に向けては、「去年1年間一軍で投げさせてもらって、それでもまだ足らずに3位だったので、全体としては優勝というものを経験したいと思っている。そこを目指してやる中で、自分の成績もいいものがついてくればいいんじゃないかなと思います」とチームのリーグ優勝に必要なピースになるつもりだ。
昨季、古巣・DeNAが3位から1998年以来となる日本一を達成した。知っている選手が多いベイスターズの選手たちが日本一を経験したことで、ロッテでリーグ優勝、日本一を勝ち取りたいという思いは強くなったりしたのだろうかーー。
「同じ3位から日本一まで駆け上がって行ったので、そういう意味では古巣というのもあるし、日本一になって良かったなという思いもあります。ただ違うチームですけど、良かったなだけじゃダメだと思うので、自分達もそうなるようにしなければならないなと思いました」。
今季もマリーンズのブルペンの一員として腕を振り、数多くチームの勝利に貢献し、リーグ優勝の歓喜の輪にしっかりと入るつもりだ。
取材・文=岩下雄太