新井監督3年目「強い選手を育てていきたい」
広島は1月23日、2月1日から始まる春季キャンプのメンバー振り分けを発表した。新人ではドラフト2位の佐藤柳之介投手(22=富士大)ら3選手が一軍スタート。同1位の佐々木泰内野手(22=青学大)は左肩痛が完治していないため二軍スタートとなった。昨季は終盤での大失速が響き4位フィニッシュ。新井貴浩監督(47)が「変化する年になる。変わるということは、それとともに痛みも生じてくる」と宣言したキャンプの見どころを探る。
●貧打解消へ若手野手の底上げに期待
昨季は8月まで首位争いを演じていたが、9月にリーグワーストとなる月間20敗を喫しまさかの4位フィニッシュ。歴史的な大失速でCS進出を逃した。指揮官は新シーズンへ向け「覚悟と信念を持って、強いチーム、そして強い選手を育てていきたい」と宣言。今キャンプは昨年より練習量を増やす方針を示している。
昨年は貧打に苦しみ続け、引き分けを含む無得点試合は24試合。これは球団67年ぶりの不名誉記録だった。得点力アップへ期待のドラ1・佐々木は大事をとって二軍スタートとなったものの、一軍スタートのドラフト4位・渡邉悠斗(富士大)も将来性豊かな右の長距離砲。昨季の最終戦でともに一軍デビュー&プロ初安打をマークした内田湘大や仲田侑仁らとともにチーム力底上げの一翼を担いたい。
外野のレギュラー争いにも注目。昨季打率.289の秋山翔吾が中堅に座り、昨年は出遅れた末包昇大と新外国人のサンドロ・ファビアンが両翼にハマれはベストだが、長いシーズン不調やケガは付き物。覚醒が待たれる田村俊介、揃って一軍キャンプスタートの中村トリオ(健人、奨成、貴浩)のアピール合戦にも期待したい。
●昨年は助っ人野手二人が途中退団…今年はどうなる!?
昨季はマット・レイノルズとジェイク・シャイナーが新外国人野手として入団するも、レイノルズは6月に左肩の手術を行った影響もありわずか2試合の出場(4打数無安打)で途中退団。その後、10月に自身のSNSで現役引退を表明した。シャイナーも右手中指の骨折などがあり、12試合で打率.133、1本塁打、5打点の成績で9月に契約解除。二人とも期待を大きく裏切る結果に終わった。
そして新たに、メジャー通算21本塁打の内野手エレフリス・モンテロと、マイナー通算104本塁打の外野手・ファビアンを獲得。新助っ人コンビにかかる期待は大きい。新井監督は昨年の春季キャンプ総括で、レイノルズとシャイナーについて「オープン戦でしっかり試合に出て、打席に立ちながら調整してくれれば」と話していたが、二人ともオープン戦打率1割台と苦しんだ。そして、シーズンでも結果を残せぬまま1年で退団となっただけに首脳陣の見極めも重要になる。
●人材は豊富?九里が抜けた先発ローテ争い
床田寛樹、森下暢仁、大瀬良大地の先発三本柱は健在だが、昨シーズン開幕投手を務めた九里亜蓮がオリックスへ移籍。ローテ再構築も今キャンプの注目ポイントだ。昨季飛躍したアドゥワ誠と玉村昇悟を筆頭に、救援と両睨みの新助っ人ジョハン・ドミンゲス、4年目を迎える森翔平、昨年のドラ1・常廣羽也斗、現役ドラフトで加入した鈴木健矢、そして即戦力候補のドラ2左腕・佐藤柳ら、多彩な面々が開幕ローテ入りを狙う。
広島キャンプのメンバー振り分けは以下の通り(今後、変更の可能性あり)。
【一軍:日南→沖縄】
<投手=23名>
森浦大輔、大瀬良大地、森翔平、常廣羽也斗、森下暢仁、床田寛樹、栗林良吏、黒原拓未、益田武尚、佐藤柳之介、滝田一希、高橋昂也、塹江敦哉、鈴木健矢、ジョハン・ドミンゲス、島内颯太郎、松本竜也、河野佳、斉藤優汰、アドゥワ誠、岡本駿、玉村昇悟、テイラー・ハーン
<捕手=3名>
坂倉将吾、持丸泰輝、清水叶人
<内野手=13名>
矢野雅哉、小園海斗、堂林翔太、菊池涼介、林晃汰、渡邉悠斗、韮澤雄也、仲田侑仁、内田湘大、山足達也、佐藤啓介、二俣翔一、エレフリス・モンテロ
<外野手=7名>
秋山翔吾、中村健人、末包昇大、田村俊介、サンドロ・ファビアン、中村奨成、中村貴浩
【二軍:由宇→日南】
<投手=16名>
大道温貴、中﨑翔太、髙太一、ケムナ誠、赤塚健利、長谷部銀次、遠藤淳志、菊地ハルン、日髙暖己、杉田健、小船翼、辻大雅、竹下海斗、杉原望来、小林樹斗、デロスサントス(練習生)
<捕手=5名>
會澤翼、石原貴規、磯村嘉孝、髙木翔斗、安竹俊喜
<内野手=7名>
羽月隆太郎、上本崇司、田中広輔、佐々木泰、前川誠太、モイセス・ラミレス、メヒア(練習生)
<外野手=7名>
野間峻祥、宇草孔基、松山竜平、久保修、大盛穂、名原典彦、ネルソン・ロベルト