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今季の攻撃スタイルは?
ロッテは昨季リーグ2位の打率.248、429四球、リーグ3位の493得点、75本塁打、リーグ5位の64盗塁だった。
去年よりも打線が繋がった場合は、打っていくスタイルの可能性はあるのだろうかーー。
「そんなに選手が変わっているわけじゃないから、技術を大事にしながら、OPSのトータルアップは望むところですけど、そううまくはいかないと思うので、そうじゃない時に夏場に向けて、引き出しが多い方がいい」(金子誠戦略コーチ)
今季もチームとして送りバントで得点圏に走者を進める考えなのだろうかーー。金子コーチは「しないと思いますよ」とキッパリ。「(バントが)できるところで、するべき場面でできる人間がやるから意味と成功率につながる。闇雲に送りたいからといって、こっちから送らすというのは違うと思うので、場面、場面、試合の流れとか」とバントが得意な選手、不得意な選手、状況に応じて臨機応変に使い分けていく考えだ。
春季キャンプでは打撃行程で、バントマシンを使ったバント練習がほとんど行われていない。金子コーチは「朝やっている。量的には例年より多い。バッティング練習でマシンでやるバントはおざなりになるから、朝みっちりやっている。意識づけも一昨年の始まりくらいのレクチャーからというところですね」と明かした。
盗塁
ロッテの攻撃といえば、井口資仁前監督時代は投手陣に球数を投げさせ四球を選び、犠打、“1つ先の塁を狙った”走塁で得点を奪うことが多かった。吉井理人監督が就任してからは早いカウントから積極的に打ちにいく攻撃が目立ち、昨季は盗塁失敗した時に流れが変わることを考慮して盗塁数が減少していた。
昨季はリーグ5位の64盗塁も盗塁成功率はリーグトップだった。スタメンに走れる選手が多く名を連ねた場合、盗塁のサインは増えるのか気になるところ。金子コーチは「トライ。結局アウトになったら意味がないので、練習の中でこの選手にグリーンライトを渡してみたりとか、そういうのも練習試合、オープン戦でどれくらい行けるか。いかなくなると、いかなくなるから」と実戦の中で走れる選手には走らせるつもり。
では、走れる選手が多ければ多いほど、盗塁の可能性が多くなるということなのだろうかーー。
「そうですね。そっちのプレッシャーも当然相手も準備してくるだろうし、その中でも成功していくような技術と勇気かな」。
本格的なサバイバル
11日に紅白戦が行われ、15日と16日には楽天モンキーズとの対外試合、18日からは沖縄本島に移動して練習試合がスタートする。ここから本格的な競争が始まるわけだが、一軍に生き残るためには、進塁打、バントといった部分ができる、できないは重要になってくるのかーー。
「ゲームプレーヤーとしては生き残るにはそういうのが大事かな。よっぽどガンガン打ってクリーンアップに入っていく選手でも通り道としても(バントは)多少はあると思う。その後のチームの得点プランにどうハマるかだと思うのでね。それを含めてアーリーワーク」と金子コーチ。
では、戦略コーチとして実戦ではどういう選手のどういう部分をチェックしていくのかーー。
「それぞれの部門じゃないですか。走塁コーチの方ではスチールできる人に根拠になるトライをしていかなきゃいけないだろうし、戦略の部分もその場面になった時にこういうスタイルを求めるんだよという場面では、やらなきゃいけないだろうし、どのタイミングなのかなと」。
今季の攻撃面を構築していくため、さまざまな引き出しを増やしていくとともに、選手たちの対応力もチェックされることになる。本格的な競争が始まろうとしている。
取材・文=岩下雄太