ロッテ・上田希由翔[撮影=岩下雄太]

◆ 対外試合は打率.293、1本塁打、6打点

 「バッティングだと思うので、バッティングでアピールできるように頑張りたいと思います」。

 石垣島春季キャンプで練習試合、オープン戦に向けて、このように決意を述べていたロッテ・上田希由翔が、その言葉通りバッティングでアピールを続けている。

 今年最初の対外試合となった2月16日の楽天モンキーズ戦に『4番・三塁』で出場すると、適時打を含む3安打1打点の好スタート。2月20日のDeNAとの練習試合で2打数2安打1本塁打4打点の大暴れを見せれば、24日の巨人とのオープン戦でもマルチ安打をマークした。

 3月に入ってからは複数安打はないが、7日のソフトバンクとのオープン戦では、1-0の6回二死二塁の第3打席、濵口遥大が2ボールから投じた3球目のチェンジアップをセンターに適時打。ここまで対外試合13試合に出場して、打率.293(41-12)、1本塁打、6打点の成績を残す。

◆ 打撃を徹底的に磨く

 プロ1年目の昨季は故障で離脱などもあり21試合に出場して、打率.259、7打点で、シーズン終了後には「見ての通り、結果が出ず試合も出れずという感じだったので、あんまり考えることもないという感じですね」と悔しがった。

 2年目の今季に向けて、シーズンオフは「バッティングがメインなんですけど、今までは左足を意識していた中でやっていて、それを活かすためにもう1回再確認するのと、右足でしっかり踏ん張ることも新たに取り入れながらやっていました」とのこと。

 自主トレは中村奨吾らと行い、「守備でもバッティングでもいろいろ教えていただきましたし、私生活の面でも面倒を見てもらっていたので、将来的には人物像としても目指していかなきゃいけないなと思いました」と、学ぶことが多かった。

 昨秋には、バッティングで「自分の得意、不得意がわかってきたかなと思うので、センター中心に飛んでいるときは良い形かなと思います」と話していたが、センター方向の打撃については「自主トレの時もセンター方向の打球が伸びていましたし、本当にそれが自分の調子のバロメーターになるのかなと思っています」と明かした。

 石垣島春季キャンプの打撃練習では、「自主トレの時もしっかり振り込む、打ち込むことをやっていたので、ライナー系で間を抜けていくような打球を求められていると思うんですけど、今はしっかり振り込んでそれが体に感じてきた中で打球の角度も変えていけたらいいなと思っています」と、角度のついた打球が多かった。

 全体練習後には、「修正するところもありつつ、しっかり強いスイングをするためにやっていました」と室内練習場で自分と向き合いバットを振った。

 豊富な練習量も、サードのポジションを勝ち取るため。「やっぱりバッティングだと思うので、バッティングで勝負していきたいと思います。最低限のサードの守備力というのは身につけてやっていけたらいいなと思います」と意気込む。

 練習試合では4番、5番を打つこともあり、得点圏での打撃も求められる。「誰しもチャンスだったら気合いが入ると思いますし、去年はたまたま打てたなというのはありますけど、本当にチャンスに強ければ強いほど良いので、そこは崩さずやっていけたらいいなと思います」。

 昨年は80安打、50打点を目標に掲げていたが、今季は「試合数分の安打数。試合数=安打数を目指してやっていきたいと思いますし、その中で打率もこだわりたいですけど、なかなか残すのも難しいですし、積み上げていけるもの。ホームラン、打点、安打数にこだわってやっていきたいと思います」と語った。

 開幕まで3週間を切った。開幕に向けて、一軍の主力級の投手との対戦が増える中で、バットで結果を残すことができれば、開幕スタメンもグッと近づく。

取材・文=岩下雄太

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