「どっち(先発、リリーフ)でもしっかり起用していただいて、キャリアハイを目指して頑張りたいです」
今季に向けてこのように決意を述べたロッテの高野脩汰は、今季初登板となった29日のソフトバンク戦で好リリーフを見せた。
ソトの本塁打で同点に追いついた直後の6回裏からマウンドに上がった高野は、先頭の正木智也、続く今宮健太をフォークで連続で空振り三振、ダウンズを左飛で危なげなく3人で片付けると、2イニング目となった7回もリチャードを三ゴロ、海野隆司を左飛、周東佑京をフォークで空振り三振と、2イニングをパーフェクトリリーフ。
シーズン開幕前の3月25日の取材で、「(ここまで)調子は良くこられていると思います」と、言葉通りの投球を披露した。そして、ソフトバンク戦で高野にとって嬉しいプロ初ホールドとなった。
◆ フォーク
今季に向けて投球フォームを1から組み立て直し、長所をより活かせる投げ方を追求。球種もフォーク、スライダーだけでなく、先発転向するにあたって幅広い投球ができるようにカーブ、ツーシームなどにも挑戦してきた。
昨季は浦和のデータ班が握りを見ないとわからないほど苦労したチェンジアップ系の独特の軌道を描くフォークは、石垣島春季キャンプ中に「もう少しレベルアップしていかない」と話していたが、2月23日の韓国・ハンファとの練習試合では3回を投げ、1被安打、4奪三振。
石垣島春季キャンプ中に試行錯誤していたフォークは「空振りを実戦で取れていますし、自分の投げている感覚も悪くない。去年以上に手応えを感じています」と話し、「ハンファ戦以降も変わらず自分は感じよく投げられています」と手応えを掴む。
ソフトバンク戦でもフォークが冴え渡り、2イニングで3三振奪ったように、昨季から奪三振がアップしている。
「自分の投げ方と球種と空振りを狙っていきたいと思っているので、その目的と結果とリンクしていてすごく手応えは感じています」
今季から本格的に投げるツーシームについては「球速はあんまり変わらなくて1、2キロ落ちるかなという感じ。まっすぐと同じくらいの日もありますし、いろいろです」と明かした。
今季初登板はリリーフと、先発だけでなく、6連戦が少ないシーズン序盤はロングリリーフでの起用も十分考えられる。「先発もリリーフも今までやってきたので、どっちも自分はやりたいと思っていますし、先発で最初動いてきたんですけど、リリーフで呼んでいただけている。もらっているチャンスをしっかり掴みたいです」と前向きに捉える。
“キャリアハイ”を掲げる今季、初登板の投球、独特な軌道を描くフォークを武器に、マリーンズ投手陣を支える1人になりそうな予感だ。
取材・文=岩下雄太