ロッテの二木康太は肘を下げたフォームに挑戦していたが、現在は昨季までの独特な投球フォームに戻っている。
近年、投球フォームで試行錯誤し、「23年から24年の頭にかけては横の時間を短くして球を強くしようと思ったんですけど、球速自体は上がりましたが、バッターの反応が良くなかった。自分の特徴的なフォームで勝負していくというか、大事なのかなと思いました」と、昨年は二木独特の投球フォームで投げていたが、昨年の秋季練習後の自主トレで、「最終的には肘を下げることが目標ではなくて、強い球を投げられる位置でやろうというので始まって、腕を下げてちょっといいんじゃないかということで。秋(季練習)が終わってから12月、1月に自分でいろいろ試しながらという感じでした」と肘を下げたフォームに変更した。
2月2日の石垣島春季キャンプの取材で、ストレートの強さについて「まだまだかなと思っています」と話し、2月15日の練習後、室内練習場で建山義紀コーチからアドバイスをもらいながら、かなり肘を下げた位置でキャッチボール。
2月15日の練習後、二木に強いボールを投げるため、どこの角度が良いか試行錯誤しているのか訊くと、「そうですね、強いボールとバッターからどう見られるかというのも一緒にやっています」と明かし、打者からの意見については「バッターからも見やすいじゃないですけど、そんなに変わらないという感じだったので、もっと大袈裟にやってもいいのかなというところでやっていました」と教えてくれた。
二木は2月19日の広島との練習試合に登板するも1回3失点、続く2月23日の韓国・ハンファとの練習試合でも1回1失点。オープン戦では一軍登板がなく、現在はファームで過ごす。
ファームの公式戦後の3月21日の西武との二軍戦を見た時に、投球フォームが昨季までに近い形に戻っていた。投球フォームを戻した理由は、石垣島春季キャンプ中、バッターの見え方が変わっていないと話していたことも関係しているのだろうかーー。
「そうですね、バッターの見え方が変わらないというのももちろんあるんですけど、出力が全然上がってこなかったというか、納得のいくボールが投げられていませんでしたし、ボールも全然コントロールできていなかったので、はい」(4月4日ロッテ浦和取材)。
新フォームの挑戦は断念したが、右打者のインコースにガンガン攻めていく姿勢は、継続している。
「右のインコースは元々苦手だったので、そこを克服というか、しっかり投げられるようになればピッチングの幅も広がると思って、そこは今意識して取り組んでいるところです」。
右打者のインコースに投げているのはストレート、それとも春季キャンプ中に練習していたシュートなのだろうかーー。
「一応シュートも投げているんですけど、数値見ないと僕でもわからないというか、映像だけでは分かりにくい感じです。そんなにめちゃくちゃ曲がらなくても、ちょっとだけでも曲がってくれればという意識で投げています」。
変化球に関しては「変わらずというか、真っ直ぐ、フォークが軸になっていくので、そこをしっかりとコントロールできればというところですね」と話した。
3月21日の西武二軍戦から3試合はリリーフで投げていたが、4月11日の西武二軍戦では先発し、4回を投げた。
一軍昇格に向け、「どこでも投げられるというのと、抑えて結果を出し続けて、二木を上げるしかないなという成績を出すことが一番だと思うので、本当に結果を求めてやっていきたいです」と意気込んだ。若手が一軍で躍動する中で、二木も一軍で投げるため、ファームで結果を求めて腕を振っていく。
取材・文=岩下雄太