ロッテのオースティン・ボスは昨季シアトル・マリナーズで68試合に登板したが、今季の活躍の舞台にメジャーではなく、日本を選んだ。
そもそも、メジャー通算207試合に登板するなど、メジャーで実績のある右腕が日本、ロッテという球団を選んだのが気になるところ。
「先発という部分で千葉ロッテは先発として契約したい、活躍して欲しいというのが本当に理由でした。向こうでは先発としての契約がなかったので」と説明した。
3月1日の韓国ロッテとの練習試合で来日初登板・初先発すると、8日のソフトバンクとのオープン戦では本拠地・ZOZOマリンで初めて投げ3回を無失点に抑えた。14日の広島戦、22日の巨人とのオープン戦で登板し、開幕を迎えた。
練習試合、オープン戦ではスライダー、カーブといった球種がメインで、落ち球の変化球をほとんど投げなかった。チェンジアップを公式戦に向けて隠していたのだろうかーー。
そのことについて開幕直後の4月3日の取材で、「チェンジアップは隠していたわけではないんですけど、徐々に投げてきた感じですね。今はしっかりとした球種として投げられているので、そこら辺はこれからどんどん投げていきたいですね」と、開幕してからはチェンジアップを投げ、4月28日の日本ハム戦では0-1の初回無死走者なしで、清宮幸太郎を2ボール2ストライクから7球目の138キロチェンジアップで中飛に打ち取った。
ボスの投球を見ていると、スライダー、カーブが非常に良い。「自分の中でスライダー、スイーパー、カーブは自分の勝負球だと思っているので、どうにかチェンジアップをしっかりと投げられるように。それができれば、武器が多くなると思うので、チェンジアップの習得が大切になってくるのかなと思います」と分析する。
ボスは来日公式戦初登板となった3月29日のソフトバンク戦が5回4失点、続く4月6日の楽天戦が4回3失点だったが、高卒2年目の寺地隆成と初めてバッテリーを組んだ4月18日の楽天戦では「寺地としっかり入念に打ち合わせをしてコミュニケーションを取りながら本当に彼が良いリードをしてくれたと思うので感謝したい」と5回1/3を無失点に抑え来日初勝利。
4月25日の日本ハム戦でも「6回に先頭をフォアボールで出してしまって満塁のピンチを招いてしまったが、あそこはちゃんと反省をしないといけない。でもなんとか切り抜けることができたし自分自身のピッチングとしては今日は良かったんじゃないかと思うよ」と初回に浅間大基に先頭打者本塁打を浴びたが、2回以降はスコアボードに0を並べ、1-1の6回の満塁のピンチも郡司裕也を遊ゴロで切り抜け、直後の7回に打線が勝ち越して2勝目を手にした。
日本で成功するために必要なことについて「そんなにはアメリカとは変わらないと思うんですけど、言えることは早く打者を追い込んで、自分の球種をミックスして球速を変えるというのが第一になると思います」と明かす。
勝率1位でのリーグ優勝を目指すチームで、「やっぱり負けるのが嫌いですから、闘争心高くそして先発として長いイニングを投げられれば最高な形だと思います」と活躍することを誓った。
取材・文=岩下雄太